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パリ最新情報「フランスの国民的漫画家、ジャン=ジャック・サンペ氏死去」 Posted on 2022/08/13   

 
フランス人なら誰もが知っている絵本、「プチ・二コラ(Petit Nicolas)」。
このイラストを手がけた漫画家のジャン=ジャック・サンペ氏が8月11日、家族に見守られながら89歳で息を引き取った。
プチ・二コラは1956年の発表以来、フランスを代表する絵本として愛され続けたベストセラー作品であった。
 



 
フランスは日本に次ぐ漫画大国でもある。
若い世代にとっては漫画イコール「manga」であり、その多くが日本漫画を指している。
しかし1980年代以前は「バンド・デシネ」と呼ばれるフランス流の漫画が一般的で、国内でも多くの書籍が出版されていた。
11日に亡くなったジャン=ジャック・サンペ氏は、戦後のフランスにおけるバンド・デシネを支えた偉大な人物の一人だった。
 

パリ最新情報「フランスの国民的漫画家、ジャン=ジャック・サンペ氏死去」

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代表作プチ・二コラは、小学生の男の子ニコラを主人公にした物語である。(文:ルネ・ゴシ二、イラスト:ジャン=ジャック・サンペ)
イタズラっ子ニコラを中心に展開する、どこかノスタルジックでクスッと笑えるストーリーにはフランスらしいユーモアが大いに詰まっている。
なおフランスでは小学校の教材にも使われ、誰もが認める国民的絵本でもあった。

そんなプチ・二コラは日本を含めた世界40か国で出版された他、サンペ氏のイラストは仏紙ル・フィガロなどの報道漫画にも多く採用された。
そのため彼の絵は現在の40代後半〜60代のフランス人に大きな影響を与えたことになる。
 



 
訃報が入ると、マクロン大統領をはじめエリザベット・ボルヌ仏首相、アンヌ・イダルゴパリ市長が次々に追悼コメントを発表。
11日にはリマ・アブドゥル・マラク仏文化相が「ジャン=ジャック・サンペはもういない。しかし彼の絵は時代を超えて残る」と述べている。

12歳で描き始めたというサンペ氏の絵は、繊細なタッチで非常にフランスらしいものだった。
しかし自身は不遇な幼少期を送っており、「主人公二コラのような生活を送りたかった」としている。
辛かったサンペ氏の子供時代からは想像できないほどほっこりしたプチ・二コラのストーリー。
子供から大人まで楽しめる上、フランス語学習者にとってもためになる絵本であった。

2020年代に入ってからというもの、フランスでも偉大な芸術家の訃報が続いている。
マラク仏文化相が述べたとおり、こうした素晴らしい作品は時代を超えて残るのだろうと思う。(こ)
 

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