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パリ最新情報「2022年のフランスを象徴する出来事とは?国民の関心を集めたニュースまとめ」 Posted on 2022/12/30 Design Stories  

 
国内外で大きなニュースが続いた2022年。
コロナ禍より始まった2020年代だが、3年目の今年も激動の一年となった。
フランスでも他国と同じように、重めで衝撃的なニュース、そしてじんわりと心温まるニュースなど、数多くの知らせがひっきりなしに駆け巡った。
では一体どの報道が人々の心に強く残ったのか。
年末に発表されたフランスのニュース一覧からその結果をまとめた。
 

パリ最新情報「2022年のフランスを象徴する出来事とは?国民の関心を集めたニュースまとめ」



 
・ロシア、ウクライナ侵攻開始
2022年は、何よりも2月に始まったウクライナへの侵攻が記憶に残る。
過去二年間の「パンデミック年」を経て、多くの人が2022年に希望を託していた。
しかし、2月24日にウクライナのいくつかの都市が空爆されたという第一報には、世界中が唖然としてしまった。
10ヶ月経った今でも現地ウクライナでは争いが続いており、その影響は燃料やエネルギー全般の不足、価格の高騰などを通じて、今も日々世界経済に暗い影を落としている。

・フランスの大統領選挙
4月に行われたフランスの大統領選挙では、ジャーナリスト出身で新人のエリック・ゼムール氏が台頭した。
極右的な過激発言を繰り返したゼムール氏だったが、時に話題を呼び、時に激しく国民をいら立たせながら、フランスの政治議論を盛り上げた。ところが3月以降にはマリーヌ・ルペン氏とエマニュエル・マクロン氏による前回と同じシナリオが具体化する。
4月24日に行われた第2回投票では、マクロン現大統領が58.5%の得票率で勝利し再選を果たした。
 

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・絶滅寸前の生物が復活する
暗いニュースの影に隠れがちな嬉しい話題。
しかし絶滅寸前の動物たちが息を吹き返しているというニュースは我々に確かな希望をもたらした。
2022年、フランスでは絶滅危惧種に指定されているハイイロオオカミの数が、2021年の783匹から921匹に増加していることが確認された。
またトルコでは同絶滅危惧種のペルシャヒョウが正式に確認され、ザトウクジラの数は全世界で8万頭近くまで増加したと発表された(50年前では約1万頭)。
これらを踏まえ、フランス各紙は「環境と絶滅危惧種のための我々の行動が報われた」と報道した。

・2022年夏の熱波と干ばつ
今年夏のフランスは40度を超す酷暑に見舞われた。
熱波による死者はフランス国内だけで2800人を超し、同じ酷暑だった2003年以来の被害者を出してしまった。
熱波はヨーロッパ各地を襲い、フランスでは真夏日が合計33日間となる記録を更新した。
 

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・英エリザベス女王崩御
英国のエリザベス2世は9月8日、70年にわたる在位期間を終え96歳で死去した。
フランスとイギリスは地理的にも歴史的にも密接な関係にあるため、多くの仏国民がその死を悼んだ。

・仏作家アニー・エルノー氏がノーベル文学賞を受賞
10月6日、フランスの女性作家アニー・エルノー氏がノーベル文学賞を受賞した。
エルノー氏は自らの体験(ジェンダー・階級問題など)を色濃く反映した自伝的作品の書き手で、現代フランス文学界を代表する作家となっている。

・W杯カタール大会でフランスが準優勝
年末のビッグニュースとなったフランスの準優勝。
実は、期待されていた選手が怪我のために相次いで欠場を発表し、フランス代表チームは壊滅的な状態でW杯に乗り込んでいた。
そのため国民の期待は当初かなり薄く、「2連覇はない」とさえ噂されていた。
ところがエムバペ選手らの活躍により快進撃を続けた代表チームは、イングランドとの歴史的対決、モロッコとの友好的な試合で国民を沸かせ、見事決勝戦に駒を進める。
結果PK戦によりアルゼンチンに敗れた形となったが、「歴史に残る名勝負だった」「フランスは負けたが誇れる内容だった」との声がフランス国内で相次いだ。
なお決勝戦を放映したフランスのTV局TF1はこの日、歴代で最高の視聴率をマーク。
代表チームが帰国後に行った祝賀会では、パリのコンコルド広場に約5万人のファンが駆けつけた。

2023年はどんなニュースが駆け巡るのか。少しでも明るい話題が増えるよう祈りたい。(オ)
 

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