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パリ最新情報「ノートルダム大聖堂、火災前のシルエットを徐々に取り戻す。シンボルの尖塔がお目見え」 Posted on 2023/12/09 Design Stories  

 
火災事故に見舞われたパリのノートルダム大聖堂が、元のシルエットを取り戻しつつある。
11月末には大聖堂のシンボルである尖塔部分を設置するため、高さ100メートル近くの足場が組み立てられた。
 

パリ最新情報「ノートルダム大聖堂、火災前のシルエットを徐々に取り戻す。シンボルの尖塔がお目見え」

※尖塔部分の設置は現在も急ピッチで進められている。



 
2019年4月、ノートルダム大聖堂の尖塔は、火災で壊滅的な被害を受けた。
本格的な再建工事はパンデミックが影響したため2021年からのスタートだったが、尖塔部分は以前から別の場所で組み立てられており、修復にはフランス中から集められた約500人の職人が関わっていたということだ。

尖塔のデザインは、消失前とまったく同じものになる。
これは19世紀の建築家、ウジェーヌ・ヴィオレ=ル=デュックが設計した建造物で、地上96メートルの高さにそびえ立つ大聖堂のシンボルだ。
最近ではこの尖塔が、再建の進捗状況を示すランドマークにもなっていた。
 

パリ最新情報「ノートルダム大聖堂、火災前のシルエットを徐々に取り戻す。シンボルの尖塔がお目見え」

※23年10月のノートルダム大聖堂。

パリ最新情報「ノートルダム大聖堂、火災前のシルエットを徐々に取り戻す。シンボルの尖塔がお目見え」

※現在の姿。



 
12月6日には尖塔の頂上部分に十字架が取り付けられ、その高さは消失前と同じ地上96メートルに達した。
また8日にはエマニュエル・マクロン大統領が大聖堂を訪問し、関係者らとともに尖塔部分を視察した。
大統領はその後、メディアに向けて「不可能と言われた(短期間での)再建工事は、スケジュール通りに進んでいる」と述べ、2024年12月8日の一般公開ついて「期限は守られた」と断言した。
 



パリ最新情報「ノートルダム大聖堂、火災前のシルエットを徐々に取り戻す。シンボルの尖塔がお目見え」

 
マクロン大統領が述べたように、ノートルダム大聖堂はちょうど一年後の2024年12月8日に再開する。
そのため再建工事は、この一年が「大詰め」だと言われている。
現在作業が進められている尖塔部分は2024年前半に足場が解体され、大聖堂内部の正確な復元(ステンドグラスなど)は、来年の一年を通して行われる予定だ。
また工事の最後には、約4万2000平方メートルにおよぶ大聖堂内の清掃と、椅子など新しい家具の設置が予定されているという。

今回の再建工事はこのまま順調にいけば、合計で5年半の期間となる。
2019年に火災が起きた当初は「再建に数十年かかる」とも言われたが、多くの人の尽力により、ノートルダム大聖堂は異例の速さでその息を吹き返すことに成功した。

なお火災以前、大聖堂には毎年平均1200万人が訪れ、2500の礼拝が行われていた。
ここでは24年12月8日の再開日にも、ローマ法王を迎え入れた上での礼拝が行われる予定だという。(や)
 

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