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パリ最新情報「オンラインショッピングが浸透したフランス冬のセール、一部の郵便局では試着室も登場」 Posted on 2024/01/14 Design Stories  

 
フランスでは1月10日から、全国的なセールが始まっている。
このセール期間(冬)はフランスの場合、毎年1月の第二水曜日から4週間、と法律で決められている。
対象アイテムはとても幅広い。
ファッション以外にも家具や電動自転車、スマホやタブレットといった電化製品が値下げの対象になる。
 

パリ最新情報「オンラインショッピングが浸透したフランス冬のセール、一部の郵便局では試着室も登場」

※どこも同じ日付に、一斉に値下げを始めるフランス。



 
そんなセール期間中、実店舗以上に賑わいを見せているのがフランスのオンラインショップだ。
フランスでは大型デパートを除き、日曜日にはほとんどの店が閉まってしまう。
そのため街に出向く必要がなく、好きなタイミングで買い物ができるオンラインショッピングの需要が今、フランスで高まり続けている。
現在ではフランス人の4人に1人がほとんどの買い物をオンラインで済ませており、Z世代に至っては食品以外、2人に1人が日常的にオンラインショッピングを利用しているという。
 

パリ最新情報「オンラインショッピングが浸透したフランス冬のセール、一部の郵便局では試着室も登場」

 
こうした需要高により、フランスの郵便局「ラ・ポスト」が試着室を設置するようになった。
始まったのは2023年末からで、国内にある8つの郵便局が、6か月限定で“試験的に”試着室を導入しているとのことだ。
主な目的と理由は、
(1)オンラインで買った服や靴をその場で試着し(局留めのもの)、気に入らなかったら即時の返品が可能。
(2)自宅との往復といった時間的な無駄を省く。
(3)梱包ごみを局側がリサイクル、となる。
なおラ・ポストは、返品のためのラベルを無料で印刷し、必要な梱包資材を同じく無料で提供するという。
 

パリ最新情報「オンラインショッピングが浸透したフランス冬のセール、一部の郵便局では試着室も登場」

※フランスの郵便ポストと同じ、黄色の試着室。場所はパリの郵便局に2つ(エコール・ミリテールとパリ・トリニテ)、そしてラ・ロシェルやボルドー、アミアンなど地方都市にも。



 
現在はセール期間中だが、フランスではセール品も30日以内であればほとんどが返品・交換可能なため、利用する人が増えていくのではと予想される。
(※商品の欠陥だけでなく、自己都合でも返品が可能)
そして6か月の試験期間で成功すれば、春にはフランス全土に拡大する可能性もあるそうだ。
 

パリ最新情報「オンラインショッピングが浸透したフランス冬のセール、一部の郵便局では試着室も登場」



 
このように、パンデミック時から増え続けるフランスのオンライン需要。
環境にやさしく、なるべくゴミを出さないようにと過剰包装が避けられているのも特徴だ。
またフランスでは配送時の行き違いトラブルを減らすため、スーパーや近隣小売店での受け取りが可能になるなど、店頭受け取りサービスの分野も成長を遂げている。(こ)
 

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