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欧州最新情報「この世界の幕を閉じるのは、プーチン大統領なのか。待ち受ける恐ろしい未来」 Posted on 2022/03/04 Design Stories  

フランスのマクロン大統領は今朝(3月3日)、ロシアのプーチン大統領と1時間半にわたる電話会談を行った。
そして、会議を終えたマクロン大統領の口から出た感想は、「これから最悪な状況が待ち受けている」であった。
プーチン大統領の目的が揺らぐことはないということである。

プーチン大統領は民主的に選ばれたウクライナ政府をファシストと呼び、このウクライナ侵攻は同国の軍事化とナチス化をストップさせ、この地域に平和を取り戻すための「特殊軍事行為」だと言い張っている。
そして、「邪魔をするものは誰であれ、歴史上類を見ない結末を目の当たりにするだろう」と警告した。
その後すぐ、プーチン大統領はロシア軍の核戦力部隊に「任務遂行のための特別警戒」を命令している。
それを裏付けるように、ロシアは2月19日に弾道ミサイルの発射演習を行なっており、「全てが標的に命中した」ことを発表している。
その核ミサイル「SATAN 2」だが、もちろん、フランスにも向いている。このミサイルは、一体どれだけすごい威力があるのだろうか?



1961年10月30日、当時冷戦の真っ只中にあったソ連は、50メガトンの威力を持つ爆弾 、”Tsar Bomba”を作った。
ちなみに、広島に投下された原爆の威力は約15キロトン。つまり「Tsar Bomba」は広島に投下された原爆の3,125倍の威力があった、ことになる。
この核爆弾は、周囲50キロメートル以上にわたる全てを破壊し、爆発の熱は着弾地点から300キロメートル離れた場所でも感じられたという。
しかし、ロシアは「Tsar Bomba」の輸送や使用方法がかなり複雑だったため、その後、この爆弾の運用を放棄している。
その後継機として開発されたのが「RS-28 Sarmat」だ。この核爆弾はNATOによって「SATAN 2」と名付けられた。
重さ約100トンの大陸間弾道ミサイルは、テキサス州(日本の2倍)、もしくはフランス全土を破壊するほどの力を持っている。
長さ約30メートルの黒い円筒形ミサイルで、約12個の核弾頭の搭載が可能、秒速7kmで最大1万キロメートルまで飛行することが出来る。
しかも、このミサイルは敵のレーダーを欺くことができるステルスシステムを搭載している。
ちなみに、このミサイルが設置されている場所からフランスまでの距離は6100km。発射後、約15分でフランスは破壊されるということになる。



フランスは飛んできたミサイルを迎撃するため、アメリカの「SM-3sミサイル」を搭載したイージスシステムや地対空ミサイル「Aster30」を導入している。
しかし、これらの防御は、北朝鮮やイランからのミサイル発射を想定したものであり、ロシアのミサイル「SATAN 2」の威力には到底追いつかない。
つまり、今現在、ロシアの核ミサイルが放たれたとして、フランスはそれを阻止する術を持ち合わせていないということになる。
「歴史上類を見ない結末を目の当たりにするだろう」と語ったプーチン大統領の発言の裏側に「SATAN 2」の恐ろしい存在がちらつく。

一時間半の電話会談を終えたマクロン大統領によると、残念ながら、プーチン大統領とは話し合いの余地がなさそうだ。
プーチン大統領は「ロシアの存在しない世界は意味がない」とさえ語っている。
ウクライナ最大のザポロジエ原発を襲撃したロシア。先ほど飛び込んできたこの衝撃的なニュースも、プーチンにとっては、計画通りなのである。
もはや正気を持っているとは思えないこの男の真の目標はウクライナの併合どころではないのかもしれない。
望むものを手に入れるか、核ミサイルによってこの世界の幕を閉じるか__。
プーチンによるこの究極の二択を突きつけられた格好の世界、かじ取りはあまりに難しい。
「SATAN 2」の恐ろしさを熟知している核大国アメリカがこの暴君とどう向き合うのかが一つの鍵にはなるが、俄かに、核戦争は現実味を帯びてきつつあり、核戦争に発展した場合、勝者は存在しないのである。(上)

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