欧州最新情報

パリ最新情報「800キロを徒歩でゴミ拾い!フランス、インフルエンサーが啓蒙活動へ」 Posted on 2023/08/15 Design Stories  

 
パリからマルセイユ、約800キロの道のりを、徒歩でゴミ拾い。
そんな男性の行動が今、フランスで大きな話題を呼んでいる。
 

パリ最新情報「800キロを徒歩でゴミ拾い!フランス、インフルエンサーが啓蒙活動へ」



 
この挑戦に立ち向かうのは、フランスのインフルエンサーで清掃界のスター、リュドヴィク・フランシェットさんだ。
普段はパリで清掃員として働いているが、彼のユニークでチャーミングな一面がSNSで人気を呼び、現在ではTikTok、X(旧Twitter)それぞれ数十万人のフォロワーを持つ。
挑戦の目的は街を清潔にすること、そしてできるだけ多くの人々にゴミのポイ捨てをやめさせたかった、とリュドヴィクさんは振り返る。
 



※右、リュドヴィクさん

 
リュドヴィクさんは8月1日にパリのノートルダム寺院を出発した。
パリとマルセイユをつなぐ高速道路を主な経路とし、途中数日の休息日を挟んだあと、ゴールであるマルセイユには9月24日に到着する予定だ。
当初はたった一人で出発する予定だったが、リュドヴィクさんのフォロワーである二人の男性が「同行したい」と名乗り出た。
二人とも彼の勇気ある企画に感銘を受けたという。
そしてそのうちの一人である22歳の男性は、「過去には自分もポイ捨てしたことがありました。その時の罪悪感と、罪滅ぼしの気持ちが同行の理由です」と仏紙のインタビューにて答えていた。
 



パリ最新情報「800キロを徒歩でゴミ拾い!フランス、インフルエンサーが啓蒙活動へ」

 
三人になったことで、拾えるゴミの量は一気に増えたそうだ。
歩き始めて6日目には、チームはすでに2トン以上のゴミを集めた。
ところが道路脇のゴミは想像より酷いもので、茂みの深い場所に行けばタイヤ、光ファイバーケーブル、建築現場の廃材など業務用のゴミが捨てられていたこともあったという。
しかしながら道路脇でいちばん多いゴミは、煙草の空き箱、ペットボトル(尿が入っているものもあった)、包装紙の類なのだそうだ。

リュドヴィクさんはこうした状況をSNSを通じて発信、「ゴミをゴミ箱に捨てるのはとても簡単なこと」「地球をきれいにすることも必要ですが、私たちの考え方をきれいにすることも必要なのです」と、画像や映像を添えながら訴え続けている。
 

パリ最新情報「800キロを徒歩でゴミ拾い!フランス、インフルエンサーが啓蒙活動へ」



 
また期間中、集められたゴミは、同行するキャンピングカーが回収を行う。
さらに回収された廃棄物はリサイクルセンターに運ばれるか、プラスチックゴミの場合は分別ポイントに運ばれる。
しかしキャンピングカーに入りきらない大きな粗大ゴミがあった時などは、地元の消防隊が彼らのもとへ駆けつけてくれたそうだ。

リュドヴィクさんは現在も、足首の痛みと戦いながら歩き続けている。
しかし本人は仏テレビ番組のインタビューに対して、「痛みはあるけれど、そんなことは考えずに進み続ける。とにかくギブスをつけてでも、僕はどこまでも行くんだ!」と笑顔で打ち明けていた。(せ)
 

自分流×帝京大学