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パリ最新情報「コロナ最新情報:第7波のピークを迎えたフランス」 Posted on 2022/07/17 Design Stories  

 
オミクロンBA.5亜種を中心としたコロナ第7波は、フランスで猛威を振るい続けている。
7月8日には新規感染者数が206,554人に達し、2022年4月末からの最高値を記録した。
その後は緩やかに減少し7月13日には127,642 人と、12万人前後の数字がしばらく続いている。

これを受け、仏保健相のフランソワ・ブラウン氏は13日、仏RTLラジオに出演し「コロナ第7波の流行はピークに達している」と宣言した。
またブラウン保健相は1日当たりの感染者数の推移にも注目し、「カーブが緩やかになった印象はあるが、これからそれが下がるのか、または長い平行線を辿るのかはまだ分からない。しかし注意すべきは重症者を含めた入院患者数が急増していることだ」とも付け加えた。
 



 
今回明らかになった第7波の特徴には、入院患者数が第6波より多いことが挙げられる。
フランスでは7月13日の時点で19,580人(先週比+420人)が入院し、1,184人(先週比+26人)が集中治療を受けている。
新規感染者数は今週に入って減少傾向にあるが、感染から重症化までには常に1週間〜2週間ほどの遅れがあるため、病院でのピークは今後数日以内と予想されるという。

ところがフランスでは公共交通機関のマスク着用を「推奨」レベルに留めている。
熱波もあり、公共交通機関でマスクを着用する人は全体の1割程度といった印象を受けた。
さらにはフランス国内でビズ(頬と頬を合わせる挨拶)が復活してきており、バカンスシーズンともあって旅行先で検査を受ける人はそう多くない。
以上のことから、新規感染者が減少したとしても安堵するにはまだ時期尚早、と言えるだろう。
 

パリ最新情報「コロナ最新情報:第7波のピークを迎えたフランス」

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一方噂されていた衛生パスポートの復活であるが、こちらは商業施設やレストランで再度適用されることはない。
代わりに8月1日よりフランス本土、コルシカ島、海外領土への入国時における提示義務が濃厚となっていたのだが、フランス国会で激しい第一審議が行われた後、7月12日夜にはこれが否決されたとメディアが報じた。
なお法案は19日火曜日に再び上院で審議される予定とのことで、いまだ最終結論には至っていないのが現状だ。
これに対し、エリザベット・ボルヌ仏首相は「今が重要な時期である」とコメントを発表。
「今回の否決は国境管理を妨げるもの。私は次回の上院で“責任感”が勝るように戦うつもりです」と自身のTwitterで宣言した。
 



 
今年の秋に予想される第8波、そして例年通り感染が爆発する冬に備え、対策を強化したい仏政府とそれに反発する国民の間で今のフランスは揺れている。
事実、現在は首都パリから人がいなくなっており、メディアでは地方でバカンスを楽しむフランス国民の姿が映し出されている。
こうした夏季休暇の後には、再び感染者数が上昇することも十分に考えられるのではないだろうか。(内)
 

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