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パリ最新情報「コロナ禍の『座りすぎ』を解消する、パリでトレンドのスポーツ」 Posted on 2022/03/06 Design Stories  

 
フランスの人々は今、運動不足に陥っている。
コロナ規制が緩和された今でも、出社とテレワークのハイブリッド式を取る企業は多い。
しかしこの方法は、新しい働き方を実現させるとともに、運動不足といった新たな悩みを引き連れてきてしまった。

というのも、フランス人の95%が座りすぎである、という衝撃の結果がAnses(国立食品環境労働衛生安全庁)によってつい最近明らかになったのである。
それは成人だけではなくティーンエイジャーにも言えることで、座りっぱなしの生活プラス「スクリーンの見すぎ」も指摘された。

Ansesはそういった健康リスクを回避すべく、「少なくとも週に5回のウォーキング、4階以上の階段の上り下り、軽いランニングのいずれか」を推奨している。
 

パリ最新情報「コロナ禍の『座りすぎ』を解消する、パリでトレンドのスポーツ」



 
フランス人の95%が座りすぎ、というのはあくまでも調査結果に過ぎないのだが、コロナ禍で新しいエクササイズに挑戦したという人は少なくない。
そんなフランスでここ最近、勢いを増しているスポーツがある。
ボルダリングと呼ばれる、最も手軽に始められるフリークライミングだ。
昨年の東京オリンピックから正式種目として採用され、今ではパリをはじめとした都市部でかなりの盛り上がりを見せている。

ボルダリングの強豪国は日本、フランス、オーストリア、スロベニアだ。
フランスは強豪国というだけあって参加人口も多い。
直近3、4年でここまでフランスのボルダリングが躍進した要因はたくさんあるのだが、ボルダリングジムの爆発的な増加によるクライマーの裾野の拡大、レベルの高いコンペ・トレーニングの普及などが功を奏した。
 

パリ最新情報「コロナ禍の『座りすぎ』を解消する、パリでトレンドのスポーツ」

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確かに、20代から40代のフランス人でボルダリングをやっている、もしくはやったことがある、という人はとても多い。
フランスの普遍的な人気スポーツといえばサッカー、ラグビーだが、それに迫る勢いでボルダリング人口が増えているのである。

フランスの人は仕事上の仲間と深い関係を築くことがほとんどない。
しかし、最近では会社の「課外サークル」としてボルダリングを楽しむケースもあり、それを通して良い人間関係が生まれることもあるそうだ。

パリ13区には首都圏最大のボルダリングジム「Vertical’Art Paris Chevaleret」もある。
そこでは4歳児から安全に登れるキッズエリアも設けており、現在冬休み真っ最中の子供たちの人気スポットとなっている。
サッカーに比べ、大人がドロップアウトしにくい、というのもボルダリングの特徴だ。

私が初めてボルダリングジムに足を運んだ時などは「日本はボルダリングが強い、がんばって!」「達成できなくても良い。楽しむことが一番」などとジムの人に声をかけてもらい、それまでの敷居の高さが吹き飛んだ記憶がある。
 

パリ最新情報「コロナ禍の『座りすぎ』を解消する、パリでトレンドのスポーツ」



 
ただ男女率でいうと、フランスでは約7割と、男性の方が多い。
それでは女性は主にどんなスポーツを楽しんでいるかというと、ヨガ、なのだそうだ。
コロナ以前よりヨガ人口は多かったのだが、ロックダウンがそれに拍車をかけた。
オンラインで受講できるメリットもあり、自宅でマットを引いてヨガや瞑想をする。
そういった「スタジオに通わない」スタイルも確立された。

スポーツは、なぜか始める前だけ腰が重いのだが、いざやってみると楽しい。
フランスでは日が長くなり、アプリコットの花が咲き、春の足音が聞こえてきた。
座りっぱなしとならないよう、これからの季節は思い切り身体を動かしたい!(セ)
 

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