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滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」 Posted on 2023/04/20 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、今日はZOOMで東京の拠点となる部屋をリフォームしてくださる建築の専門家、佐藤さんと須藤さんのお二人と話し合いをした。
レジデンスのオーナー、シマちゃんのお仕事の関連の方々で、優秀なのだそうだ。
顔つきが聡明で、ぼくとは住む世界が違っている。
一級建築士ということで、なかなか、こういう肩書の方々とお会いする機会がないので、ちょっとビビった父ちゃんであった。頭がよさそう・・・。やばい。
「だいたい、辻さんのイメージに沿ったお部屋にリフォームできると思っています」
と佐藤さんが口火を切った。
佐藤さんが上司で、実際には、若い須藤さんが中心的にやってくださるようだ。いい顔をした青年であった。
ひゃあ、実に、この東京拠点計画がじわじわと前進している、ということである。
ぼくが借りる部屋なので、どう使用してもいい、ということ。
ぼくが使わない時は、周りに迷惑がかからなければ、何をしてもいい、というのである。これは、考えようによってはなかなか面白い話じゃないか。
何か面白いことを計画して、「おもしろきことなきこの世をおもしろく」させることに活用できないか、と考えた。
まずはリフォームのイメージをぼくが伝えないとならないので、昨夜は、英仏海峡に沈む夕陽を眺めながら、いろいろと思案した父ちゃんなのであった。

滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」

※いったい、この部屋がどこまで辻カラーに染められるのだろうか??? これをどこまでぶっ壊していいのだろうか????



で、いろいろと考えたのだけど、真っ先に思い付いたのは、民泊。
そこはぼくの創作の拠点でもあるわけだが、ぼくが使ってないあいだは、他の人に貸したらいいんじゃないか、と思ったのである。
エアーB&Bみたいなことだけれど、いや、これは実現が難しそうだ。
日本は民泊の規制が厳しくフランスみたいにはいかないのである。
それに、そこはレジデンスなので、他に住人さんもいるし、さらには、ぼくが寝るベッドとかで誰かが寝るというのも、よくよく考えると、どうなんだろう、とかね、あはは、神経質な父ちゃんは思ったのであったァ。
ならば、料理教室が出来るスペースとか、どうだろう。
レンタルキッチンみたいな部屋に出来るのじゃないか・・・。たとえば、少人数のお友達で、ホームパーティをやりたい方々が、借りてくださればいい。割り勘で。えへへ。
「ねー、辻父ちゃんがやっているレンタルキッチンでパーティやろうよ」
「え、それ、面白いそ。やろうやろう」
となるかもしれない。あはは。イメージです。
でも、夢がある。
小説「エッグマン」に出てくる有栖川料理研究所のような世界だ。
そこで、植野編集長率いるダンチューのイベントなどに活用してもらう、とか、北斗晶さんの番組で使って頂くとか、・・・知り合いのLさんとかには10%増しで貸すとか、あはは。
となると、キッチンは相当、こだわって作らないとならないじゃないか!!!

滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」

※、このキッチンではレンタル・キッチンは出来ないので、どこまで変更が加えられるのであろうか?

滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」

※ 植野しゃーーん、使ってねー。もちろんです、と言われそう。これはあり得るなァ。

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うううむ。あるいは、会員制のワインBARにする手もあるね。
ぼくの好きなワインをフランスから持ち込んで、かっこいい二枚目のバーマンがシェーカー振っていて、そうだ、バーの名前は「サヨナライツカ」とか、おお、冴えてる!
お客さんは最小限で、みんな「絶望」というカクテルを飲みながら、小説「サヨナライツカ」の悲しい一節を読むって、シュールじゃないか。
完全予約制だから、他の人がいない、ので、愛を囁きあうことも出来るし、たまに、バーマンの横で、父ちゃんが簡単な料理とか作って、そっと、出すって、どう? くー、演出がにくい!
飲み屋のおやじになるのかって?
シマちゃんに訊いたら、飲食の許可はとれるよ、ということであった。

滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」



滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」

いや、お酒はやめておこう。どんなトラブルに見舞われるかわからないし、ぼくのバーに通うと「愛が破綻する」という伝説が出来てもね。
これ以上の都市伝説はいらない。あはは。
じゃあ、プライベート美術館とか、どうやろう?
ぼくの写真とか絵とか原稿とか映画とか音楽とか辻色に染まりたい人が、そこで、2時間一人で過ごす、というレンタル・ルーム、「空想辻部屋」いいね。
ECHOES時代のギターはかなりあるから、飾っておくので、好きに弾けばいいし、・・・いらないか。
写真はいっぱいあるし、映像もあるし、油絵もちょっとあるし、原稿も探せば昔万年筆で書いていた時代のものがあるかもしれないし、ぼくが愛用する小物とかが飾られてあって、まるでジャンコクトー美術館、おお、いいね、プライベートミュージアム・・・。あはは、笑えるな。
ま、難しいかな・・・。

滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」



それか、普通に、周辺の企業の方々に、会議をしてもらうスペースとして、貸すのもいいね。雑誌のインタビューに使う部屋とか、写真撮影もできるよ、とか、フィッティングルームにするとか、記者会見場に利用してもらうとか、妄想がとまらない。
「辻さん、これを見てください」
須藤さんが新しい見取り図を出した。なんと、すでにイメージデザインが出来上がっていたのだった。一級建築士~、仕事早い。
「おおお、これは!」
すごい。あの高級熱海ホテルの一室のような部屋が、ガラっとイメージを変えて、図面の中にすでに存在していたのであーる。
「これはあくまでも、一つのイメージなので、一緒に議論を重ねていき、辻さんが好きな世界にこれから作り替えていきましょう」
ついに、東京拠点計画がスタートした。この速度感、たまらない。
これで、ぼくも日本と深くつながることが出来る、と思うと、嬉しくなってきた。
よーし、この勢いで、武道館だ!!!!!!☜はァ?
さ、皆さん、合言葉は、熱血~。



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
さて、どうなることでしょうね。でも、面白くないですか? 今度、5月頭にシマちゃんと再びZOOM会議をやるので、そこで、もう少し具体的な話になると思います。それまでに、ぼくももっと考えないと。皆さんが、辻ワールドを楽しんでもらえる、そういう秘密の館になるといいですよね。どこが秘密だって、全部暴露してるやんかって・・・。いや、このリアルタイム感が最高じゃないすか?仮に、企画がとん挫しても、それも人生ですよ。実現したら、もっと楽しくなりそうじゃないですか? おもしろきことなきこの世をおもしろく。高杉晋作の精神です!!!!
さて、5月7日、迫ってきました。敷居のめっちゃ低い小説教室が開催されます。一度は小説を書いてみたい、でも、なかなか、そうは言っても辻さん、無理よ、とお思いのそこのあなた。人生は一度です。書いてみたかったなら、書いたらいいんです。あなたの人生ですから、それに、楽しいですよ。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてくださいね。めるしーぼく。

地球カレッジ



滞仏日記「東京拠点ルームの建築責任者らと具体的な話し合いがスタート。マジか!」

5月29日、オランピア劇場、近づいてまいりました。フランス国内、もしくは周辺国にお住まいの皆さん、ぜひ、遊びに来てください。日本からは遠いですから、来ていただきたいですが、時間がせまってきましたから、ご無理はさせられません・・・。無理のない範囲でお願いします。あ、席は絶対売り切れませんので、当日券山ほどあり、ご心配なく・・・。
席のご予約はオランピア劇場のサイトから、どうぞ。

https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/

もしも、日本から行きたいけど、不安という皆さんには、JALパック・パリさんが協力いたしますので、こちらをクリックください。現在、日本から50名くらいの方が来るだろうという予測です。本当に、大変なところありがとう。必ず、いいステージにしますね。約束!!!

5月29日 辻仁成 パリ・オランピア劇場 ライブコンサ-ト!


ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。

https://linkco.re/2beHy0ru

自分流×帝京大学