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滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」 Posted on 2024/02/18 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、いちおう、父ちゃんも、これでもプロなので、ステージに上がる以上、衣装というものが大事になるが、あまり、すごいものは持ってないし、着ても似合わない。あはは。おほほ。
そこで、音楽部門のマネージメントをやっているマネージャーと、スタイリストさん、ライブスタッフが集まって、当事務所で、この春のライブ衣装をどうするか、話し合いがもたれたのであーたーまん。
3月、ギタージャンボリー、ツジビル春祭りライブ、4月ロンドン、6月ボルドー、パリ、リオン、とこの辺までは、同じ衣装でいこうじゃないか、ということである。
ま、もう若くないし、何を着てもかわりばえしないので、別になんでもいいじゃないか、という意見は、まったく同感、その通りであーるでこー。
でも、なんでもいいのだけれど、たとえば、Tシャツでも、やっぱ、ちょっと「辻らしさ」が必要なんじゃないか、ということになって、
「でも、どうせ、黒ですよね」
と全ゲストの連絡先が入った事務所携帯をオランピアライブの前日に紛失したマネージャーのMMが口火を切った~。
「でも、TSUJIは黒でいいと思います」
とライブ制作サイドのアシスタント、シモン君が言ったのだった。
「なるほど、じゃあ、黒がベースでも、何かアクセントですかね」
と今回、アドバイザーとして頼んだスタイリストのNHさんが言うのだった。
パリで活躍するスタイリスト、仏語では、スティリスト、というらしい。ひゃああ。
スタイリストさんはマネージャーの知り合いで、あまりにぼくがいつも同じ格好でライブをやるものだから、ライブを見て、見かねて? 自ら手をあげて、来てくれたのだった。
服って、難しいですよね。
「黒ねー、いいんですけどねー」
こういう意見が大勢を占めたのであーるこーるちゅーどくー。☜そう、来たか。
ちなみに、この写真が普段のぼくの恰好で、とくに、おしゃれをしているわけではなく、パリではこういう感じで、普通にその辺を、歩きまわっているのであーるでこー。

滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」

※ たしかに、あかぬけてない!!!! くらい。さわやかさ、ゼロ。



「うん、いいんですけどね、垢ぬけてないというか、ワンポイント足りませんね」
ということで、NHさんがいろいろと服をみせてくれたのだけれど、なかなか、気に入っても、父ちゃん、小柄だから、どれも、似合わないのだった。うひゃあ。
ああ、190センチくらい身長があればなァ、といまさらながらに親をうらむ、往生際の悪い、父ちゃんであった。すまんです。
すると、
「インディゴブルー、とか、どうですか?」
とNHさんが言った。
で、見せてくれたのが、おおお、かっこいい、めっちゃ長いインディゴブルーの薄手の春もののマフラーなのだった。(長さが、3メートル近くあった!)
「かっこいいね」
「はい、ハット、シャツ、ズボン、ブーツは黒で決めて、首まわりだけ、インディゴブルーにするという作戦です。このメーカーさんは、マレ地区にある個人のブティックで、ムッシュがデザインをしているんですけれど、手染めで、上手で、なかなかこの色は出せないですよ」
「いいじゃない」
「で、ここのムッシュが、辻さんのライブ映像を見て、モデルをお願いしたい、とかいいだしてまして」
「モデル!」
あはは、と大笑いの一同であった。笑うなよ!
身長が足りなすぎる~。
ということで、「身長が足りない分、頭が切れる男になったんだ、お前は」とよく母さんに言われていたことをみんなに告げると、
ぶはーっと、大爆笑。
母さん、ごめんなさい、となった父ちゃんであった。
「ともかく、暑ければはずせばいいですし、でも、いつも黒よりも、変化があった方がいいと思うんですよね」
さすが、スタイリストさんであーるぬーぼー。
よし、決まり!
これで、両国国技館、立ってみる、と宣言をした父ちゃんであった。

滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」

滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」



ということで、衣装が決定したので、これをトランクにいれて、日本を目指すことになったった。
「えええ、これが、うわさにきいていた、辻さん事務所のまかないなんですか?」
と、わざとらしく驚いてくれたスタイリストさんであった。
今日の父ちゃんのまかないは、辻風フィッシュ&チップス、4人分である。
連載リニューアルをするESSEの夏前号くらいに、レシピを載せますが、ま、冷凍のフィッシュフライを使って、作る、簡単フィッシュ&チップス、なのであーる。
ぜんぜん、チップスじゃないじゃないか、と侮ることなかれ、魚のフライとポテトだから、フィッシュ&チップスでいいのだ。
このチップスは、ジャガイモを揚げてないので、ローカロリーで、カリカリ、うまいので、みんなが、そこは本心で、でりっしゅー(美味)、と笑顔で喜んでくれたので、めでたしめでたし、でありました。
はい、お疲れさま~。

滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」

滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」



人生はつづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
スタイリストさんって、はじめて、フランスでお願いしたのだけれど、やっぱ、自分じゃわからない何かを引き出してくださるので、いいですね~。なかなかかっこいい、インディゴブルーの巨大マフラーで今年は暴れまわりたいと思います!
さて、
おしらせです。
伊勢丹アートギャラリーの個展ですが、気を付けてほしいのは、初日の28日は抽選で決まった方しか入れないので、正式には、29日の朝10時から、3月5日の午後6時まで、ご自由にご来場いただけます。「辻個展、29日から、3月5日まで」とメモをよろしくお願いいたします。混乱を避けるため、との画廊の判断ですので、ご理解ください。

●小説「十年後の恋」集英社文庫版が1月19日全国発売。
●小説「東京デシベル」がイタリア、Rizzoli社から刊行されました。
●3月3日、両国国技館、ギタージャンボリー出演。(検索ください)
●3月6日、ツジビル・ライブ(SOLD OUT)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

●6月30日、パリ・ライブ決定(詳細、待って)
●7月3日、リヨンでライブ!!!
・ジャパンストーリーズのインスタ、はじまりました。
https://www.instagram.com/japan.stories?igsh=MTA2dWFjODdsZnNrZA%3D%3D&utm_source=qr
新しいデザインストーリーズのインスタも再始動しています!
https://www.instagram.com/designstories_paris?igsh=cHlpdGFvdWkyYmdj&utm_source=qr
・それから、ぼくのなりすましが、ファイスブックで暗躍していて、問題が起きている、というので、皆さん、フェイスブック、ぼくのなりすましには、近づかないように、友だち申請とかしないでくださいね。要注意です。
以上です。

滞仏日記「ステージ衣装をどうするか、スタイリストさんとフィッテイング会議!」

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