PANORAMA STORIES
高校生暴動で毎日騒がしいパリからレポート! Posted on 2026/10/09 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
連日、シンガポール在住のオーストラリア人のデールから、「つじさん、パリは大丈夫なの?」とメッセージが届きました。三軒茶屋で魚居酒屋をいとなむ黒ちゃんからも「辻さん、安全第一にお過ごしください」と、このように、知り合いや友達の皆さんから、心配の声が届いておりますが、実は、昨日からパリ入りしておりまして、確かに、そういう気配はありますが、ニュースでやっているような暴動がそこらじゅうで起こっているというわけではありません。
ただ、これは長引きそう、です。
理由は様々ですが、大学生たちも高校生や教師たちに連帯をしはじめているから、・・・。
ぜんぜん、下火になっておりません。
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まもなく、パリのモダンアートフェアがはじまるので、明日はパリ中心部で打ち合わせがあるんですが、普通にできそうです。
ぼくも普段ノルマンディ生活なので、お子さんもいるパリのスタッフさんに、ほんとうのところはどうなのか、と聞いてみましたが、
「要は、高校の入り口周辺で、朝方、散発的に学生の抗議がおこるんですよ」
と教えられました。
うちのマネージャーは高校生のお子さんがいるので、その子の学校はもう3,4日、休校になっているそうです。
だいたい、朝の登校の時間に、校門の前でデモがあって、学校側がここ数日、毎日のように臨時休校にしている、とか、・・・。
ま、さまざまな理由があるので、高校生が政治的だ、ということだけで決めつけられないかな、という流動的な状況でして、背後にはもう少し複雑な事情が見え隠れしております。
在仏四半世紀の父ちゃんですが、デモとか暴動とか、そういう言葉にはもう慣れました。でも、学生たちの不満は、あらゆる学校に飛び火しておりまして、東京芸大のような大学までもが、高校生に連帯を訴えて、昨日、立ち上がりました。
今日は芸術関係者の多い画廊街で打ち合わせがあり、そこは、芸大の傍だったので、通りは、御覧の通り、部分的に、荒れ果てておりました。(ま、しかし、パリ全体からすると、ほんの、ほんの一部です)
次に、大きな大きなデモが予定されているのが、来週、火曜日ということですから、観光客の皆さん、そこは気を付けてください。高校や学校がある地域は、とくに、要注意。


普段、人気のない画廊街ですが、デモのあった日は、合流した大学生でたちで画廊街まで若者があふれて、大変だったのだそうです。
ちなみに、今日は、バスティーユ広場(王政を市民が倒したことで有名になった広場ですね)で、集会が開かれます。
子供たちの不満は、教師が足りない、とか、椅子がない、とか、政治が悪い、とか、学校にゴミ箱がない、とか、その動機も多岐にわたっておりまして、このデモ&暴動には、未来が不安な若者たちの心のもやもやの根っこのようなものを感じますが、でもね、きっと、そこだけじゃなくて、フランスが、現在、ちょっと末期的な気もします。景気も悪いですからね・・・。
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思うに、高校生の暴動というよりも、そのことを発端にして多極化された様々な不満が、フランスを襲っている、という印象。大統領選挙前ということもあるでしょうね。もう少しすると、だんだん、見えてきますよ、いろいろなことが・・・。
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そういえば、うちの息子に、
「大丈夫か?」
とメッセージを送りましたが、もう、大学を卒業し、働き始めている彼から、返信など、ありません。
仕方ないので、三四郎と、暮れなずむパリのセーヌ河畔を散歩した父ちゃんでございました。
22日から、コンコルド広場でモダンアートフェアに参加するアーティストとしては心配ですが、もしもデモが拡大をして、シャンゼリゼ大通りをデモ行進とかになると、アートフェアも、さぁ、どうなることでしょう・・・。
一応の構図が警察機動隊と高校生という構図ですし、もうすぐ大統領選ですからね、ちょっと、不穏ではあります。
でも、昨日、今日、感じたパリは平穏で、快晴でした。
一方で、手りゅう弾が爆発し、腕を失った学生もいましたからね、その辺のことは、うちの記者が、少し前に、記事をまとめて配信しましたので、「パリ・カルチャー情報・フランス高校生の抗議拡大。なぜ、ここまで怒っている? 」の方を、ぜひ、ご一読ください。こちらから、どうぞ。
☟
https://www.designstoriesinc.com/europe/culture-information-18/
また、ご報告します。

父ちゃんの独り言。
10日、土曜日の日本時間、16時前後から、父ちゃんは三四郎とそんなパリから生配信をする予定です。気になる人がいたら、インスタのサブスク、「となりのヒトナリ」をチェックください。
10月22日から25日まで、モダンアートフェア、コンコルド広場にて。新作油絵12点、並びます。
11月4日の夕方から、リオンで、個展がスタートします。3週間くらいですね。新作油絵、25点、並びます。
10月20日、「歌う詩人」のデビューアルバム「詠み人知らず」発売。全国のディスクユニオンでのみ販売です。特典付き。


※ 前回の「となりのヒトナリ」で作った、鯛のリゾット。

Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。



