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家庭フレンチの定番を「夏のヘビロテ前菜、メロン・ジャンボン」 Posted on 2022/06/08 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ

フランスのメロンは、中がオレンジの赤肉メロンが一般的。(フランスはMelonをムロンと発音します)
日本のマスクメロンのようなものやスペイン産の楕円形で黄色いメロンも売られていますが、フランス人が好むのは圧倒的にMelon Charentais(ムロン・シャロンテ)と呼ばれる赤肉メロンなのです。南フランスのカヴァイヨン産が有名です。マルシェだと、「今夜食べたいの」とか、「明日のランチに食べる分をください」といえば、ちょうど食べごろになるメロンを選んでくれますが、スーパーなどで自分で選ぶ時は、メロンを手に取り、どっしり重く、メロンの底のおヘソを押してみて、程よい弾力があり、良い香りのするものを選びましょう。メロンといえば高級果物のイメージが強いですが、気になる値段は、1玉、3〜4ユーロ(約500円)。旬になってくると2個で4ユーロくらいのこともあり、日本よりずっと気軽にメロンを楽しむことができます。しかも、滅多にハズレがありません。南フランスの気候がメロンの栽培に適しているのでしょう。日本の夏の果物といえばスイカですが、フランスではメロンが夏の定番なのです。

家庭フレンチの定番を「夏のヘビロテ前菜、メロン・ジャンボン」




さて、フランス人にとってメロンはデザートというより、前菜です。食事の始まりに、メロンを半分に切って種を取り、そのままお皿に載せて一人半個ずつ食べてしまいます。その他に、種をくり抜いた穴にポルト酒を注いで食べる方法もありますが、前菜としてメロンを食べるなら「メロン・ジャンボン」がおすすめです。ジャンボンは”ハム”という意味ですが、ここでは生ハムを指し、特にメロンとパルマ生ハムとの相性は抜群なのです。作り方は、冷やしたメロンを切ってパルマの生ハムをのせるだけ。手を加えるとすれば、粗挽きこしょうやピンクペッパーでアクセントをつけるくらいです。

家庭フレンチの定番を「夏のヘビロテ前菜、メロン・ジャンボン」

メロン・ジャンボンは「メロン・ア・リタリエン(イタリア風のメロン)」とも呼ばれており、この甘いメロンにしょっぱい生ハムを組み合わせるという食べ方がイタリアからフランスに持ち込まれたことがわかります。スペインの名物と思われているようですが、16世紀頃、イタリアで前菜としてメロンが食べられており、その時に少し塩をふって食べていたことから、甘いメロンに塩気の強い生ハムを合わせて食べるようになったのだそうです。

これは、病みつきになる、美味しさです。この夏、ぜひ、お楽しみください!!!




Posted by セギュール ちえみ(DS編集部)

セギュール ちえみ(DS編集部)

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パリ在住の料理好き。特にトラディショナルな料理に魅力を感じている。