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フランス家庭料理の定番「お母さんの味、ナヴァラン・ダニョーをクリスマスに」 Posted on 2022/12/19 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ

クリスマスが近づき、朝晩ぐんと冷え込んできました。
こういう時には身体が温まるものを食べたいものです。
日本なら鍋料理でしょうが、フランスだと煮込み料理になります。
今日ご紹介するお料理は「ナヴァラン・ダニョー」
子羊とカブのトマト煮込みです。
ナヴァランは日本における肉じゃがのような、フランスのお母さん定番料理の1つなのです。
なので、残念ながら、カフェやレストランのメニューとして見かけることは滅多にないのです。
食べたくなったら自分で作るしかない! 
一度頂いた、友人のお母さんの手作りナヴァランの味を思い出しながら、肌寒くなると鍋いっぱいのナヴァラン・ダニョーを作るのです。

フランス家庭料理の定番「お母さんの味、ナヴァラン・ダニョーをクリスマスに」



ナヴァランの由来は「ナヴェ(フランス語でカブという意味)」が入っているからと言われています。
フランスのカブは頭の部分が紫ですが、皮を剥くと中は日本のものと同じく、真っ白。形は日本のものより小さめで密度が高く、味は生で食べても美味しいですが、しっかり火が入るとホクホクとお芋のような美味しさに。
カレーや筑前煮など、煮込み料理には欠かせない野菜です。

フランス家庭料理の定番「お母さんの味、ナヴァラン・ダニョーをクリスマスに」



主な材料は子羊の肩肉とニンジン、かぶ、玉ねぎ、にんにく。サラダ油大さじ1を鍋にひき、潰したニンニク2、3片(羊とにんにくの相性が良いのでもっと使っても良い)を加えて弱火で香りを出し、子羊と野菜を炒めます。
お肉にしっかり焼き色がつき、野菜にも火が通ってきたら、トマト缶1とトマトペースト少々、具がひたひたになるまでの水、牛ブイヨンを1つ、ブーケガルニを入れて煮込みます。
ブーケガルニがなければ、乾燥タイムやローリエ、セロリの葉やパセリの茎など、あるもので代用してください。乾燥タイムとローリエだけでも子羊の独特の風味を活かしてくれます。
あとは、ココットの蓋をして1時間ほど弱火でコトコト煮込むのみ! 塩胡椒で味を整えたら完成です。
玉ねぎはトロトロ、ニンジンとかぶにはしっかり煮汁が染み、子羊はホロホロに。北アフリカ料理のクスクスに似ているのでスムール(クスクス粒)との相性も◎です。

フランス家庭料理の定番「お母さんの味、ナヴァラン・ダニョーをクリスマスに」

子羊は臭みも少ないので、こうやってしっかり煮込めばほとんどクセはありません。
羊が苦手という方にも美味しく食べていただけること間違いなし。
子羊が手に入ったら、ぜひフランスのお母さんになったつもりでナヴァラン・ダニョーを作ってみてください。
ほっこり温まる一品なのです。
ボナペティーーー!!!!

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Posted by セギュール ちえみ(DS編集部)

セギュール ちえみ(DS編集部)

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パリ在住の料理好き。特にトラディショナルな料理に魅力を感じている。