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日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」 Posted on 2026/10/14 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
日本とフランスのキッチン回りで、またある違いに気づきました。「カウンター」の使い方です。
カフェやレストランでも見かける、あのカウンター。日本にいた頃、わたしの場合は“キッチンの窓口”のようにカウンターが自宅についていたので、配膳や作業台としてよく使っていました。ただ、フランスではこのカウンターの位置が少し違っていて、かつ、かなり重要な役割を果たしている印象です。
 

日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」



 
フランス人はカウンターさえあればコーヒーを置いてお喋りを始める…というのは言い過ぎかもしれませんが、あながち嘘ではないと思います。
パリのコーヒーショップを通りかかっても、「人が集まっている」と思って見ると、やはりそこはカウンター。店内席の方はガラガラで、逆に外にあるカウンター席が人気だったりします。一方で、古いカフェではカウンターが奥まったところにあって、常連さんがそこでお店の人と楽しそうにお喋りしている姿も。まるでVIP席のようですね。
 

日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」

※テイクアウトの受け渡しカウンターでも結構会話をしています



 
やはりフランスの人々にとって、このカウンターは単なる台ではないようです。もちろん作業台としても使っていますが、それよりも大切なコミュニケーションの場というイメージでしょうか。椅子に座るまでもない、けれど、飲みながら何かをつまみながら、そこにいる人たちと小話をする。そんな時にとっても便利なもの、それがカウンターです。

ではどこから始まっているのかと見てみたら、フランスの一般的なキッチンにそもそも取り付けられていました。フランス人は小さな頃から、家族とここでコミュニケーションを取りながら育っていたのです。
 

日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」

※フランスのキッチンにあるカウンターの例(手前)

 
どういう形であれ、フランスのキッチンには写真のようなミニカウンターが取り付けられていると思います。小さなカウンターに、(写真では映っていませんが)背の高い椅子が数脚。もちろん、メインのダイニングテーブルではありません。サイズは一般的にパソコンデスクと同じか、それより少し広いくらいです。

用途としては、①朝食を食べる、②子供たちがジャガイモやニンジンの皮むきといったお手伝いをここでする、③スーパーで買ってきたものをここで広げる、④アペロで軽く一杯引っかける、④一人の場合はここで夕食をとることも。でしょうか。
とくにフランスの朝食は、パンやシリアル、ヨーグルトなど軽いもの中心なので、こうしたミニカウンターでパパっと済ませることが多いです。
さらに、ここで食べながら料理をする人に話しかけたり、とくに用がなくてもカウンター目がけて集まったり…と、「カウンター越しに距離を近づけること」が一番の目的になることも。
 



日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」

 
「向き合わなくても、会話が生まれる場所」
フランスのカウンターを見ていると、どうやら、そこに集まること自体に意味があるようです。
家では料理をする人のすぐそばで飲み物を飲んで、カフェではスタッフや隣あった人と小話をする。かしこまって座って話すほどではないけれど、一人で過ごすのもちょっと違う。しかも、カウンターには手元の作業や飲み物という共通の対象があります。

またクリスマスなどは、ここでたっぷり話してから、メインのダイニングテーブルに移って前菜・メイン・デザート…とさらに時間が続いていきます。自分のグラスを持ったままテーブルへ移動して、そこからまた数時間かけて飲んだり食べたり。こうした姿を見ていると、さすが「食事にかける時間が世界一長いフランス」だと感じます。
街なかのカフェにカウンターが多い理由も、これで頷くことができました。皆さん、ここで“だべる”のが本当にお好きなのですね。
 

日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」

日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」



 
パリにあるカフェのカウンターが可愛いのは、だからでしょうか。小さくて、日本の立ち飲み屋さんのように気軽で、「友人と軽く一杯」にぴったり。通りに面した屋外のカウンターなら、その地区ならではの空気感までたっぷり楽しめてしまいます。
中にはグッドデザイン賞!なカウンターもあって、これらがパリの一つの景観を作っているのだと感じました。
 

日本とこんなに違う、フランスの小さな「カウンター文化」

 
そんな便利なカウンター、フランスでは物を置く以上に、大切なコミュニケーションの場として機能しています。家庭から始まるこの小さな文化。お喋り好きで、食事時間が長いフランスならではの風景でした。
 

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。