PANORAMA STORIES

大好き、シチリア Posted on 2023/07/02 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、行くたんびに驚かされるのが、シチリアの人たちが、マジで、笑顔だらけで、いい人たちばかりだ、ということでありまーす。
おっとりしているというか、本当に、やわらかな人たちばかりで、気に入られると、めっちゃよくしてくれる。
たとえば、レストランでぼくは39ユーロの食事をした。ワインを一本お土産にかったのだ。
で、50ユーロ払ったら、20ユーロおつりが戻って来た。
「これ、間違えているよ」
と言ったら、
「いいんだよ。細かいおつりがないから、もって帰って」
と言われた。
おおお、シチリア~。
まけてくれるから、いい人、ということはないけれど、こういうのが毎日のように起こる、いたるところで、細かくない。
お会計の時に、2ユーロ足りなくて、財布をあさっていたら、
「いいよいいよ、いらないから。ありがとう」
と言われたり、おっとりし過ぎやろ、と思うくらい、がつがつしてない。2ユーロって、360円だからね・・・。あはは。
だから、いい人という言い方のは変だけれど、おおらかなのだ。執着がないのです。
太陽のせいかなぁ・・・。

たとえば、パリだと、みんなしかめっ面をして歩いている。
笑顔で歩いている人がいたら、ちょっとやばいかな、と思うのが普通だが、シチリアのシラクサの人は笑顔が多いし、しかめっ面でも、ちょっと話すと、スイカがパカット割れたような、満面の笑顔になるし。☜変な比喩・・・。
わずか、3,4日、滞在しているだけのぼくだが、もっとも、三四郎人気が凄いので、街を歩くと、一度立ち寄ったカフェとか売店のおにいちゃん、おねえちゃんが、出て来て手を振ってくれる!
「ボンジョールノー!!!」
信じられるだろうか?
人気者は辛いよ、寅さんだ、おいら。
ということで大家のアンヌさんが、写真をとってくれたのだ。三四郎との2ショット~。

大好き、シチリア



大好き、シチリア

しかし、シチリアと言えば、一方で、ゴッドファーザーという映画などで有名な「マフィア」の起源の土地と言われておる。
マフィアはシチリアで生まれ、アメリカに渡ったということだが、今はどうなのか、アンヌさんに訊いてみた。
「いますよ」
「いるんですね」
「ええ、しかしね、普通の人の中に同化しているので、カフェとかの端っこで背中丸めてひなたぼっこしているのが、この辺のマフィアのボスだったりするんですよ。みんな笑顔で、ニコニコしています」
えええ、と驚いた父ちゃん。
「あのね、辻さん、だから、マフィアという単語はぜったい口にしちゃダメよ」
「えええ、そうなんですか?」

大好き、シチリア

大好き、シチリア

※ 仲良くなった、アンジェロ。怒ったら、怖いかもしれない。でも、めっちゃ優しい人だった。英語も通じなかったけれど、優しさは通じるのだった。困ったことがあったら、連絡しなさい、と連絡先をくれた・・・。ううう。



ご存じの通り、父ちゃんはちょっと変わっていて、「マフィア」が禁句と言われると、つい、叫びたくなってしまう、奇妙な性格で、カフェのテラス席で、自分の口を必死でおさえ大変なのでありました。
あはは。
すると、そこらへんにいる笑顔のお爺さんがみんなマフィアのボスに見えてしまい、もう、叫びたい~症候群。

レストランを見つけました。
小さな店で、覗いたら、年配の女将さんと目が合って、
「いらっしゃーい」
と言われてしまったのだ。なんか、いい感じだった。
「犬もいいですか?」
「わ、大好きなのよ。この子名前は?」
「SASHIRO」
ということで、またまた、三四郎のおかげで、優しくされた父ちゃんだった。
「旅疲れで、ちょっと胃が重いので、軽めのものが食べたいんですけど、いいですか?」
「ま、それはたいへん。じゃあ、前菜の盛り合わせにしましょう。美味しいの作るわね」
というこで、出てきたのが、こちらのアンティパスト~!
美味しかった。
シチリア、シラクサ、オルティージャ島、本当に最高なのである。
ということで、今日はシチリア、シラクサのパスタをご紹介します。
こちらをクリックしてください。レシピを載せておきますね。


https://www.designstoriesinc.com/panorama/daily-6812/

大好き、シチリア

※ まんまみーや!!!!

大好き、シチリア



8月5日から11日まで、三越日本橋本店、特選画廊にて、辻仁成展「鏡花水月」、三越を辻美術館に!
10月22日から25日、パリ、コンコルド広場でのモダン・アートフェアに出展。コンコルド広場特設会場にて。
11月5日より、リヨン市で個展。先日、第18回リヨンビエンナーレに公式参加が決定しました。よっしゃ。

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自分流×帝京大学

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。