PANORAMA STORIES
行きつけのワイン屋トマの店が4周年になったよ Posted on 2026/05/27 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
ワインが好きです。
ワインがないと生きていけないくらいワインを飲んでいる父ちゃんが、ここ最近、通い詰めているのが、15区にある行きつけのカーヴ、「MOMENT DIVAN」なのであります。
一度、昔、ここでご紹介したことがありますよね?
知り合いのトマがやっている店です。とってもセレクトがいいので、まとめ買いに、よく出かけるんですが、トマは、優しいんだよね、ナイスガイなのです。
ここには書けませんが、彼はここ数年、困難を抱えていました。
でも、持ち前のガッツと笑顔でつねにその苦難を乗り越えてきたんです。
プライベートなことだから、書けませんが、フランスの男の人って、こんなに優しいんだ、と思えるような優しさがあるんです。ぼくがここに書いちゃうと薄っぺらくさせちゃいけないので、控えます。
でも、彼はそれを優しさで乗り切りました。
「4周年だってね、おめでとう」
「ありがとう」
不思議なことに、こんなに世界は広いというのに、ぼくが行きつけのカフェとか、レストランとか、牡蠣スタンドの店主とか、知っているし、繋がっていたんですよ、笑、不思議ですよね。ご縁があるんだな、と思います。

※ 上の写真が、現在のトマ。抱えている箱の中に、今日、ボクがセレクトした6本が入っています。
下の写真が4年ほど前のトマ、と、彼の仲間、ヴァンサン!
いい年齢を重ねていますね。本当にいい人だからか、ものすごく、評判がいいんです。


ワインって、もうぼくにとっては「生きる水」なんですよ。
毎日、どんなに調子が悪くても必ず365日、呑んでいます。あはは。マネしないでくださいね。
でも、食事はしないでも、ブドウから得られる幸せのおかげで、体調はいいです。
なぜ、ワインが好きなのか、というと、人生を豊かにしてくれるから、料理をおいしくしてくれるから、仲間や友だちと会う時にいいサポートをしてくれるから、です。
気分で、呑み分けます。
冬とかはやっぱり寒いからボルドーの赤ワインと煮込み料理とか、最高です。
夏は暑いから、冷えた白ワインと生牡蠣とか、最高ですね。
食べるもので、どのワインがいいか、ここは真剣に研究してきました。辻式方程式というのが、出来上がっています。
☆
牡蠣には、サンセールの白をあわせます。牡蠣がもっているヨウドが他のワインだとちょっとあわなかったりすることもあるからです。サンセールだけをアペロで呑むことは、ぼくは、ありません。ちょっとサンセールの酸味が苦手だからです。ところが、これが生牡蠣とあわせるととっても、牡蠣を美味しくさせてくれるんですよ。もちろん、ブルゴーニュのいいワインでも最高なんですが、サンセールだと、牡蠣を超えない、あはは。

トマとヴァンサンがすすめてくれた、作りて、アンヌ・ボワッソンのアリゴテ、2022。

赤ワインはね、ボルドーとブルゴーニュだと全くの別物なので、料理にあわせて選んでいます。ぼくはグーラッシュを作るのが好きだから、煮込み料理の時にはボルドー、のようなちょっと強いワインにします。で、もう少し繊細な料理の時、鶏肉料理とかね、仔牛とか、ブルゴーニュ系にします。
ブルゴーニュの中でも、地域、緯度によってテイストが異なるので、そこらへんは、好き好きにします。ブルゴーニュじゃなきゃダメってことはなくて、料理にあわせるなら、ロワールとかも美味しいですし、これが魚になると、もっと繊細なワインを選んでいきます。もう無限ですね。
この時期、夏が近づいためっちゃ暑い日には、ぎんぎんに冷えたロゼとか、最高ですね。コート・ド・プロヴァンスが有名ですけれど、色をよくみて、薄いのと赤みが強いのとで、食べ物がかわってきますよ。このロゼ色もね、やり方がワインによってさまざまで、それだけ料理との相性も異なるんですが、ロゼの場合は、もうテラスで、氷をぶっこんで、ぎんぎんに冷やして、酔うのが、一番好き。料理にあわせるというよりも、オリーブとか、サーディンとか、軽いスナックとか、つまみながらの、ぐいぐい、楽しいですよね。
ぼくね、あまり食べないから、「ちょっとでいいからね」って言うでしょ? そういうのシェフは嫌みたいで・・・・。ですよねー。
☆
でも、トマは、ぼくの先生みたいな人でね、ぼくの周りのスターシェフたちも、みんなトマからワインを買っていることが最近判明しました。
「このワインはね、ミネラルがほんとうにいい感じを醸し出すんですよ。この季節に最高に素晴らしい、もう人生を乗り越えられる一本間違いないです」
こんな風にすすめられて、今日も、6本、買い込んでしまいました。
ああ、呑むのが楽しみ。
人生って、短いから、健康に気を付けないといけないのはその通りなんですが、健康とワイン、どっちをとりますか、と言われたら、楽しく酔える人生、と答えています。
我慢をしても楽しくないもんね。あはは。

一生懸命仕事をして、トマの店に立ち寄って、彼の蘊蓄をきいて、一本ゲットして戻り、オリーブなんかをあてにして、ぐいっと飲むと、幸せ~。
どうか、みなさんも、素晴らしい一日でありますように!
☆
アルコールはほどほどに・・・。
サンテ!


父ちゃんの独り言、&、近況のようなもの。
まだ、第四便と第五便は江東区にあります。でも、税関の輸入許可がおりたようで、いよいよ、明日、ゴメス画廊に到着します。やった、ガッツポーズだ。
暑すぎて、死にそうなフランスです。ぼくはこれから、ノルマンディに戻り、明日はTPAの
クラス会なんですよ。リクエストがあれば、アトリエのご案内をしようと思ってます。
☆
8月5日から11日まで。三越日本橋本店、特選画廊にて辻仁成展「鏡花水月」。堂々の63作品。
10月22日から、コンコルド広場のアートフェアに参加。15点くらい。
11月5日からリヨンで個展です。45点程度、詳しくはまた、のちほど。
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電子書籍版「サヨナライツカ」刊行、はこちら。
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https://www.amazon.co.jp/dp/B0H2DH8N59/ref=sr_1_4?dib=eyJ2IjoiMSJ9.uxOqZ-cuvaM_kpU9l8v92uzRVdoXvzoMo7LzjJ8f3TmgDGevrOxAhdI9SqmFSNjw53tHE9zkIWVgzYwqQigOUGWupxsodugtRulAAySNslANeRdh7bnTNIpgqdcl1G9RFCTLBHLYPPSlnUTevyplE6NTXsaBy0VDjwegT0OYYeusO19PiuOiyUthVbJWvxKGYJNCjLXSbcrcYkQ25755UbR_8kqmgiW8X0OEDTU92mXQ06kcMoTJu4PQZDP6MWRi4TkU__ALFV9HgR9XpJEEdmCavgm0MTcYPy4j52_xfOg.5QlVk5yPsdk95Lt2hizGDAthNMIZwEZ6LEq_ezX8Qqw&dib_tag=se&keywords=%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%83%8A%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%84%E3%82%AB&qid=1779280790&sr=8-4</a>
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。


