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熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ! Posted on 2026/07/11 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
実は、生涯、名刺は持たない主義でこの年齢まで生きてきた、父ちゃんです。
そのことは皆さん、ご存じと思います、が、この度、とあるきっかけがあって、このような名刺のデザインをして、プリンターで10枚ほど、作って、ハサミで切って、それを今日、持って歩き、画廊カフェがあるんですが、パリ左岸の画廊カフェのレイラちゃんに、渡したのでした。めでたしめでし。
御覧ください、これが、父ちゃん初の名刺になります。
ええええええ、これですかァ~。

おおおお、おめでとうございます。しかし、なんか変ですな。
名刺を配るなんてことは、一生やらない人生、と思っていましたが、・・・。笑。

熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ!

これは、まだテスト版でして、このあと改良が重ねられ、印刷屋さんで、100枚くらい刷る予定なんですが、名前と、QRコードが入っております。
たとえば、画廊喫茶のレイラさんとのやり取り、ご参照ください。
「ぼくは日本のアーティストなんです」
「そうなんですね~。いつも、なんか、ちょっと風変わりな方だな、と思って、気になっていました。やっぱり、アーティストさんなんだ~。どんな絵を描かれてるんだろう?」
「抽象画のような作品が多いです。これ、ぼくの美術サイトなんで、どうぞ、よかったら、御覧ください」
「わ、ありがとう。必ず、チェックします! (るんるん)」
「次回、来た時にでも、感想きかせてくださいね (ピース)」
ふふふ、どうです?
効果、抜群でしょ?

この美術サイトのQRコードと名前だけが掲載された名刺を知り合ったパリの美術関係者さんに配るだけで、自動的に、ぼくの絵と波動の合う関係者が増えていく、という展開です。
天才か、俺は天才じゃないか、と思った、初老の父ちゃんなのでありました。
出遅れた天才は、寄り道が多かった分、最速で、フランス各地の美術関係者に伝播、普及していかないとならないので、手っ取り早い方法を編み出した、という次第です。
この人生初の「名刺」のようなものが、フランスにおける、HITONARI TSUJIの新しい熱血ストーリーの最初のきっかけになるような気がしました。
「ムッシュ!」
帰ろうとしていると、レイラちゃんに呼び止められ、うちのオーナーに一枚いただけませんか? 彼は日本人アーティストが好きなんですよ。
それを回しスキャンすりゃあいいんですが、やっぱり、持ってもらえることが、一番ですからね、喜んで、と微笑んで、財布から、もう一枚、取り出した、父ちゃんなのでありました。
なんでか、友だちは少ないんですが、出会いは多いんです。目立つからかもしれないんですけれど、
「あなた、何やっているの? めっちゃ気になる」
先日、自然食スーパーのレジのマダムにも言われて、
「アーティストです。トータルアーティスト」
とこたえたら、やっぱりね、なんかね、普通じゃないもんね、と言われたわけです。変人と思われている、ということですが…あはは(ピース)
そういう時に、ただの変人で終わらせないためにも、この名刺を取り出し、サイトをチェックしてもらい、応援団になってもらう、10月にパリのアートフェアにも初参加しますからね、来てもらうのに、いいきっかけになるわけです。
絵は、マジで、出会いですから、一枚の絵との出会いを、この名刺が、取り持つ、可能性があるわけで、実にユカイですな。
この年で、生まれてはじめてビジネスカードを持った男、辻父ちゃん、これからの熱血ストーリー、目が離せませんね。

まだ、みなさんには、お伝え出来ないことがたくさんあるんですが、父ちゃん、ノルマンディ在住日本人アーティストとして、今年からこの先、20年間くらい、最大規模の創作作戦を展開しておりまして、20年以内に、「あのロン毛、ノルマンディのTSUJI,だろ」と言われるようなアーティストになってやろうかな、と決めており、楽しくて仕方ありません。
死ぬ気がしないんですよ。
いや、こりゃ、楽しいですな。
だって、ノルマンディで頑張っているんだから、あとは、パリだろうと、どこだろうと個展を少しずつ成功させていくだけ、じゃないですか?

熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ!



ということで、今日は、オデオン地区とマレ地区の画廊街を練り歩いてきました。
御覧ください。パリの路地のそこかしこで、アーティストたちが、創作の種を蒔いております。ぼくにはぼくのやり方があるので、ストリートアートはやりませんが、昔、原宿のホコ天とかでライブをやった時代を思い出します。最初は、路地から、みんな、創作をスタートさせているんです。それが、絵なのか、音楽なのか、詩なのか、の違いに過ぎないわけです。
長い道のりでした。ロング&ワインディングロード。
そういうものをすべてひっくるめて、アート、なんですよね。
父ちゃんは、もちろん、三越特選画廊で、個展やらせてもらえて大変光栄なんですが、オデオン地区の頑固なギャラリストがやっている、小さな小さな偏屈な画廊のドアをノックして、この名刺を配っていこうと思っています。
有名な画廊だろうと、無名な画廊だろうと関係ないんです。
アルノーさんという無口なしかし歴史あるギャラリストさんがいましてね、彼にこの名刺を渡すのが目下のぼくの楽しみなんです。受け取ってくれるかな~。
そこで、小さな作品を展示してもらうことから、はじめられるこの新人感、大切にして、熱血で人生楽しんで生きていこうと思います。
ぼくはたぶん、常に、永遠の新人でいたいんだと思います。先生とか、ダサイ。
「まだ、この周辺にいる人は、ぼくのことを発見していない」
わくわくしながら、画廊街を眺めていた父ちゃんです。父ちゃんが描いた絵で、オデオンやマレの堅物な人々の心を揺さぶってみたいな、と思います。音楽でも、小説でも、ふふふ、よくばりなやつめ。
アルノーってだれ?
あはは、ま、そのうちにわかります。この話は、2年後くらいに、この作戦の一環として、ここにびしっと記されることになるでしょう。
では、8月5日、三越で会いましょう。
えいえいおー。

熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ!

熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ!



ささやかなお知らせ
8月5日から11日まで、三越日本橋本店、6階、特選画廊全面にて、辻仁成展「鏡花水月」を開催。63点の最新作がずらりと並びます。

熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ!

※ 新作小説の構想を練っている辻翁。

熱血物語1、生まれてはじめて、名刺を作ったのだ!

辻仁成 Art Gallery
帝京×パリ・オンラインアートカレッジ



Posted by 辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。