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q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~ Posted on 2021/03/06 八重樫 圭輔 シェフ イタリア・イスキア

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

イタリアへ来た当初、かれこれ20年以上前の事ですが、りんごの皮一つ剥けない若者だった僕は、これからは毎日ピザやラザニアを食べるものだと思っていました。
その頃はフィレンツェに住んでいましたが、実際のイタリア料理はバリエーション豊かで地方色が濃く、日本でお馴染みの料理がどの町でも食べられているわけではない事を知り、驚いたものです。
イタリア人は自分たちの住む土地の特産物や料理にとても誇りを持っていて、その良い意味で保守的な精神や郷土愛が、現在まで伝統を守り抜いてきたのかもしれません。
彼らは好奇心旺盛でもあるので外国料理を試すこともあれば、日本食も大人気ですが、普段の食卓は簡単素朴なイタリアンが基本です。
我が家でも近所でとれた野菜などを中心に、時折和食を交えつつ、イスキア島ならではの食生活を堪能しています。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~



カンパーニア州の家庭料理を改めて見返すと、やはりオリーブオイルとトマトが基本であることに気づかされます。
魚介料理が多いのも、日本人に人気がある理由の一つでしょう。
しかし、サラミ類やチーズの使用量も多く、パスタも頻繁に食べるので油断すると体重計の針が予想外の方向を指すなんていう事も。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

対して、バター、特に生クリームが登場するレシピはとても少なく、それを使う料理は胃にもたれるというイメージを持っている人が多いように思います。
レストランの賄でもたまに生クリームを使ったものを出しますが、作っている最中は「いや、生クリームは食べないよ」とか「今ダイエット中だから」などと言っていた人たちがテーブルではしっかりそれを食べて、パンでお皿のソースまでさらい、しれっと席を立ってキッチンにお代わりを取りに行ったりしているのを僕は見逃していません。
もちろん何も言いませんし、うれしい事なのですが「素直に食べればいいのに」と心の中でクスっと笑っています。
何でも偏りなく適度に食べていれば問題ないのです。
なんて、偏食で小食家だった子供の僕が聞いたらそれこそクスっと笑うでしょうけど。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

*我が家の食卓から。地元産野菜を使ったビーツのリゾットとサラダ、自家製パン
地球カレッジ

さて、今回はそんな生クリームを使った、イタリア全土でポピュラーなサーモンのパスタをご紹介します。
普通は市販のスモークサーモンや生のサーモンを使うのですが、ここでは以前にご紹介した自家製サーモンマリネを使ってアレンジしたいと思います。
いつもの田舎料理よりもちょっとだけお洒落な一品ですので是非お試しください。

サーモンマリネのレシピ記事はこちら➡️

※タイトルのq.b.とは適量を意味するイタリア語quanto basta(クワント バスタ)の略です。細かいことは気にせず臨機応変に、あなたなりのレシピにして頂けたらという思いを込めて。

 

サーモンマリネときのこのパスタ

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

★材料(4人分)
○ファルファッレ  360g(またはペンネ、スパゲティなどお好みのパスタ)
○サーモンマリネ  約8枚 (または市販のスモークサーモン。大きさにより調整)
○生クリーム    180㎖程
○きのこ      200g(しめじ類。またはエリンギ、舞茸などのミックス)
○白ワイン     100㎖
○バター      30g
○ルッコラ     q.b.(適量)
○レモン、塩胡椒  q.b.(レモンはなくても可)

★作り方
①フライパンにバターを入れて熱し、きのこを軽く炒めます。次に適当な大きさに切ったサーモンを加え、表面の色が変わったらワインを入れてアルコール分を飛ばします。
サーモンは食感が固くなるので炒めすぎないようにしましょう。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

②生クリームを加えて全体をよく混ぜ、ひと煮たちしたら火を止めます。
レモンがある場合は皮を少し削って入れると風味が増すのでおすすめです。
③パスタをアルデンテの状態であげて、フライパンに入れます。
パスタのゆで汁はソースのゆるさを調整するのに使うので少し取っておきましょう。
④パスタとソースを合わせ、水分が足りない時はとっておいたゆで汁を入れて調整します。
必要であれば塩を足します。ここは強火でパッと仕上げないとパスタが水分を吸うので頑張りましょう。お皿に盛り付け、上にルッコラをのせてサーモンを1枚飾り(分量外)、黒胡椒を挽いて完成です!
 

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~



q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

冷えた白ワインと共にどうぞ。
誰かがお皿に残ったソースをパンでさらったら、それはきっと美味しかったのしるしですね。
最後にもうひとつおまけです。
トーストしたパンにバターやリコッタチーズを塗り、ルッコラとこのサーモンマリネを重ねたらちょっとしたオードブルに。
お好みで刻んだ玉ねぎやケッパーをのせても良いです。
マリネは何日か日持ちがするのでシーフードサラダにオードブルにパスタにと色々活用してください。
それではまた次回、普段着の食卓でお会いしましょう。
 

q.b.レシピのないレシピ帳~サーモンマリネときのこのファルファッレ~

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Posted by 八重樫 圭輔

八重樫 圭輔

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Keisuke Yaegashi
シェフ。函館市生まれ。大学在学中に料理人になることを決め、2000年に渡伊。現在は家族とともにイスキア島に在住。