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日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編 Posted on 2022/08/22 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
農業大国フランスの野菜は興味深いです。
スーパー、街の八百屋、BIOショップなどなど、いろいろな場所で野菜を入手できるわけですが、週に数回登場するマルシェの八百屋がやはり面白い。
同じ野菜でも日本とサイズが違ったり、日本では見たことのない野菜が並んでいたりします。
 

日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
まず「大きさ」の観点で見てみると、キュウリとナスが特に大きいです。
キュウリはスーパーのものでも「大きい…」と思っていたのですが、マルシェになるとだいたい30センチ前後、1Lペットボトルほどの長さはあるでしょうか。
イボはないです。
フランスの人々はキュウリをざく切りにしてサラダに入れたり、生クリームとレモン汁で和えて「キュウリの冷製クリーム和え(concombre à la crème )」とすることが多いですね。
その際、皮は渋いのでむきます。
味は日本と違って水分が多いので、スティック野菜や千切りには向かないような気がします。
 



日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
ナスも特大で太く、日本の2〜3倍はあるように思います。
そして、フランスのナスの皮はものすごく固い!初期の頃、浅漬けを試して失敗してしまった経験があります。
ということでフランスのナスはラタトゥイユなど、煮込み料理に適しているのが分かりました。
 

日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
日本で見かけない野菜の筆頭としては、フランスのアーティチョークがあります。
ユリ根の味にちょっと似ているアーティチョークですが、フランス人の食し方は大変面白いものです。
義理家族の食事会で、丸ごと茹でられたアーティチョークがゴンッ!と前菜に登場したことがありました。
食べ方はこうです。
外側についている根葉を1枚1枚剥がして、根元についているほんのわずかな果肉を歯でしごきながら食べます。
味付けはヴィネグレットという、フランス流のドレッシングのみ。
味はもちろん、食べ方がエンターテインメントのようで楽しかったです。
 

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日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
また私が恋しく思っているのが日本のサツマイモです。
こちらにもpatato douceという似たような芋があるのですが、割ってびっくり、人参色をしています。
これはサツマイモと違ってホクホク感がないので、マッシュポテトのようにして肉・魚の付け合せにするのが良いかもしれません。
逆にフランス人の主人は、日本で食したサツマイモの天ぷらが大のお気に入りのようです。
 

日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
さて楽しいのはフランスのフルーツです。
今年は気温が高かったので、全体的に春夏のフルーツが豊作で甘めでした。
特にアプリコット・桃は例年より甘くて美味しく、色も綺麗でしたね。
フランスの桃は丸いものと平たいものがあって、こちらの平桃(pêche plate)は1kg辺り4ユーロ(約550円)前後で15個くらい買えます。
そのままかじって食べるほか、チーズと一緒に桃サラダにしたりといろいろな楽しみ方ができます。
 

日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編



日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
メロンが安いのもありがたいところです。
パリでは一個4.2ユーロ(約575円)ほどで、地方ではこれが半額くらいになります。
フランスにおけるメロンの食べ方といえば、やはり生ハムメロンでしょう。
冷たいロゼワインと一緒に、暑かった今年の夏はメロンが大活躍しました。
 

日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
売り方はスーパーと同じく計り売りで、プラスチック包装はほとんど姿を消しています。
ただ今年の干ばつは青果の収穫にも大打撃を与えてしまったようです。
早くも値段が上がっているようで、すべての野菜が1㎏あたり平均1ユーロの上昇なのだとか。
値上がりは秋以降も続くとのことですが、こればかりは仕方がありません。
 



日本とこんなに違う、フランスのマルシェ・野菜編

 
スーパーによっては質が異なったりするので、マルシェの新鮮な野菜は助かっています。
その他、ほうれん草が日本と違う…といった小さな悩みも抱えておりますが、その場合は冷凍食品店で購入したりと、あれこれ工夫するようにしています。
フランスの野菜をふんだんに使った料理のラタトゥイユ、ポトフなどは本当に美味しく、日本とはまた違ったレシピを楽しんでいます。
 

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。