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終わりの見えない、ドイツのロックダウン下での生活 Posted on 2021/01/08 マイヤー 智栄 会社員 ドイツ・マインツ

ここドイツでは、11月2日からレストラン、カフェ等の飲食店や娯楽施設が閉鎖となったライトロックダウンが始まり、12月半ばには生活必需品を扱う店舗(スーパー、薬局等)以外の店舗は全て閉鎖、学校・幼稚園も閉鎖になるという本格的なロックダウンに突入となりました。
厳しい制限が加えられたにもかかわらず、コロナによる新規感染者数、死亡者数は減る気配を見せていません。
1月5日には、さらに厳しいロックダウンが1月末まで続くことが発表されてしまいました。

これまでは、自らの世帯に加えもう一世帯に属する者、合計で最大5人までの集まりが許可されていましたが、(ただし14歳以下の子供はこの制限人数には含まれない)、今後は自世帯以外の人と会うのは一人までに制限されます。
それに加え、過去7日間の感染者数が人口10万人あたり200人以上のいわゆるHot Spotと呼ばれる地域では移動も15kmまでに制限されているのです。
もちろんレストランやお店、学校、幼稚園は閉鎖されたままです。



1月25日に国と各州との話し合いが予定されており、そこで2月からの対応が決まるようですが、私の周囲ではイースター(4月)までこのままロックダウンが続くのじゃないか…と悲観的な意見も囁かれており、全く先行きは不透明な状況にあります。

ライトロックダウン期間も含めるとすでに2ヶ月以上が経過しているのに、どうして状況がよくならないのか、この答えは誰にもわかりません。
昨年12月は特に状況がひどく、コロナによる死亡者数は、3月以降11月までの累計よりも多かったのです。(12月の死亡者数は16,823名、3月から11月までの累計死亡者数は16,248名となります)。

終わりの見えない、ドイツのロックダウン下での生活

私自身はコロナにそれほど影響を受けない業種ということもあり、もともとテレワークが中心でした。むしろ、感染拡大により外出する人が減ったことで、渋滞が緩和されるという皮肉な結果になりました。でも、我が家の6歳男児は学校の友人とも自由に会えず、パワーを持て余しています。
1月末に少しでも状況が改善して、せめて学校と幼稚園が再開してくれればと願うばかりなのです。

ちなみに、学校と幼稚園は閉鎖、と書きましたが、各学校や幼稚園によって閉鎖中の対応は様々。幸い息子が通う学校は、かなり以前からコロナで学校が閉鎖になった場合に備えて準備に取り組んでいました。
今週からはオンラインでのレッスンが開始される予定で、すでに、使用する教材も配布されています。また共働きの夫婦への緊急対応として、申請すれば学校側が、子供を預かってくれたりも・・・。友人の子供の学校ではこういった対応は全くないそうなので、うちの息子の学校には本当に感謝しています。
学校でこういった緊急対応がなく子供の世話をすることができない親のために、各州は特別な休日規則を出しています。 しかし、この特別休暇を取得するのはかなりハードルが高いと言えます。雇用主との交渉が必要なのはもちろんのこと、もしテレワークが認められている場合はまず適応外となる可能性が高いのです。というのは、ドイツの保健省は基本的に親は自宅で働きながら子供の世話をすることができる、と信じているからです。
これはドイツ(特に旧西ドイツ側)に子供は母親が面倒を見るべきという保守的な考えの持ち主がまだまだかなり多いことと関係しているようにも思います。小学校も今でこそ午後も授業がある学校が増えてきてはいますが、普通は12時で終了。共働きの親にとっては全く優しくない環境でもあります。なので、両親ともフルタイムで働いているという親は息子の学校にはほとんどいません。母親がパートタイムもしくは主婦、という家族が多いように思います。女性がキャリアを築きたいと思っても、かなり厳しい環境であることは間違い無いようです。

地球カレッジ

終わりの見えない、ドイツのロックダウン下での生活

私が住むラインランドプファルツ州の州都マインツは、コロナ禍の影響で、街の中心部にある店舗が数多く潰れました。あちこちに空き店舗が目立ち、少しさみしい雰囲気になっています。昨年末に市の繁華街に行った折には、例年ならクリスマスマーケットが開き人で溢れている時期なのに、開いているのはスーパーくらいで、まるでゴーストタウンさながらでした。

ロックダウンが終わった後、いったいどれくらいのお店が残っているのでしょうか。普段はついつい便利なネットショッピングを利用してしまうのですが、お店がまた開いた時には、街中にもっと足を運んで買い物をして少しでも貢献しよう、と心に決めています。そうできる日が早く来ますように。
色々抑制されてつい不機嫌になりがちな私たち人間ですが、我が家の2匹の猫はいつも変わらずマイペース。彼らを見習ってなるべく平常心でいようと自分に言い聞かせています。

終わりの見えない、ドイツのロックダウン下での生活

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Posted by マイヤー 智栄

マイヤー 智栄

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東京都出身。2010年よりドイツ、マインツ在住。
ドイツ人の夫と息子、2匹の猫との5人暮らし。