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毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」 Posted on 2026/04/21 辻 仁成 作家 パリ

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

おつかれさまです。
小説「泡」のゲラ初稿チェックが終わり、850か所にのぼる修正箇所を写真撮影し、集英社の担当編集者鯉沼さんに、ラインで送り付けた、父ちゃんなのでありました。ふー、つかれた~。
すごい時代ですね。
ぼくが作家になったばかりのころ、吉祥寺に住んでいたんですが、原稿って「玉稿」とか言われて、編集者さまが家まで取りに来るような時代だったんですが、父ちゃんがフランスに住んでいるからでしょうか、ラインで、やりとりする時代(すでに20年くらいこういうやりとりばかり)になりました。それでも、集英社さんは、ゲラを印字して届けてくれたので、やっぱり、すごいですね。鯉沼さんには、無理を言い、ラインを交換させてもらい、ここから、さらに、第二稿チェックへとすすむわけです。

さらには、62作品の絵を順次、梱包しているので、もう、くたくた、なんですよねー。
ということで、…そんなときに、かんたんながら、パワーが出る、うまい、もの、をご紹介いたします。
調子が今一つな時、食欲が出ない時に最適なのが、今日ご紹介いたします、最強「焼き肉お握り」なのであります。出た~、辻家の定番!!!!

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

簡単に言ってしまうと、海苔の替わりに薄切りの牛肉を握り飯に撒いて焼いたものなんです。
宮崎とかで始まったご当地料理らしい、ですが、宮崎のは豚薄切り肉でやるようで、今回はそれを牛肉にして、甘みのあるタレで炒め焼き、しかも中のお握りは紫蘇俵握りなのでありまーす。
実は、これ、関西出身の知人から教わりました。関西では、牛肉でやるようです。さすが関西人、牛肉かよ、すげーな。九州は鳥か豚ですもんね。子供のころ、辻家では牛肉、見たことありませんでした・・・。あはは。

炊いたご飯に刻んだ紫蘇と胡麻をいれて、俵お握りを作ります。
お肉で巻くので普通のお握りの半分くらいのサイズが良いですね。
これに牛肉の薄切り肉をぐるぐると巻いて、少量の油でフライパンで焼くわけです。
そこに醤油、みりん、酒、砂糖で作ったアマダレをぶっかけ、お握りをぐるぐる回転させながら、照りが出るまで煮詰めるのがコツなんだ、そうで、・・・。
関西すごい。たしかに、これは傑作。
お握りが小さいので、大人の男であれば、5,6個はペロリと平らげることが出来ます。
なのに、これが甘くてうまいし肉感があるのでパワーが出るし、中が紫蘇飯だからしつこくないのが特徴で、今日のようなお疲れ様な父ちゃんには最適な一品なのでありまーす。
ぜひ、やって!

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

今日はね、朝から大忙しで、国際運送会社さんと掛け合ったんですよ。
50号の作品8枚を梱包したら、軽自動車一台分の請求書、えええええええ、マジか、無理だわ。イラン戦争のつけがここにも・・・。
今回の個展、62作品ありますからね、まだ、54枚あるわけですから、破産する、と仏語がネイティブなスタッフに泣きつき、あの手この手で運送会社と交渉をしてもらい、中古自転車くらいまで料金を下げることに成功したんですわ。マジです。やっぱ、フランスって、ネゴシエーションの世界ですから、ごねるの大事です。あはは。
胃が痛かったんすが、最終的な金額を訊いて、スタッフさんの努力に涙が出ました・・・。助かった~。
ということで、こんな世界じゃ、今年の夏の個展が最後になるかもしれませんね。もしも、戦争が長引いて輸送費が下がらなければ、個展はもうやりたくても難しくなるでしょうからね、辛いな~。この世界、マジで、大丈夫なのか。貿易会社さん潰れるんじゃないか、と心配になります・・・。

とまれ、今日はなんとか、乗り越えることが出来ました。
薄切り牛肉握り飯、ありがとう。
苦しい時はやっぱ、がんがん炒めてじゃんじゃん食うに限りますな。
皆さん、疲れた時こそ、うまいもの食って、パワーをつけましょう。
えいえいおー。

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

近況のようなもの。
明日、予定では、国際運送会社さんが、ノルマンディのアトリエ(絵をストックしている倉庫があります)に作品を取りに来てくれる予定になりました。うまくいけば、30日に画廊につくはずです。祈るばかり・・・。

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

辻仁成 Art Gallery

毎日が勝負飯、「やばいうまさの焼き肉お握り」

帝京×パリ・オンラインアートカレッジ

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。