PANORAMA STORIES

個展三日目、えいえいおー!!! Posted on 2026/08/08 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
個展三日目なのであります。連日、三越に行き、会場をふらっとのぞかせてもらっていますが、とってもいい雰囲気で、順調で、思わず笑顔がこぼれ出てしまいます。
疲れはマックスですが、みなさんの「えいえいおー」のおかげで、気分上々でございます。
お客様も様々で、絵のファン、画廊のファン、ほんとうに様々な方々がお越し頂いているのですが、ブログを読んでいる方はすぐにわかります。「えいえいおー」と最後に小さく言ってくださるので、笑、こういう日々の駄文をご愛読くださり、それに関しても、まことにありがとうございます。
ああ、もう三日目なんだな・・・。あとこの週末をはさんで11日にはこの一年間夢見てきた個展も終わります。
寂しいな~。

そうすると、ぼくは次の電柱に向けてまた精力的に動き出すわけです。そのつかの間、今は、ここまで頑張って来た自分を振り返りつつ、自分の子供たちに感謝とエールを送って送り出す準備をしているわけです。
初日、絵がずらりとならんだ会場に足を踏み入れた瞬間、不意に、目元が濡れてしまいました。ああ、うちにあった連中(絵画のことね)が、みんな着飾って、ライトを浴びて、立派だな、と。息子が巣立つ時の気持ちに似た、大きな達成感と小さな寂しさのあいだ、に自分がいるのがわかります。
絵が一枚一枚、引き取られていく都度、この子たちは新しい家で新しい家族に愛されて、その方々の人生を彩るんだな、と思い、また、泣けてくるんです。
ま、嬉し泣きというやつです。心が清らかになります。
みなさん、ありがとう。毎日、個展が続けばいいのに、と思いながら、三越のあの古いエレベーターで昇降しているわけです。あはは。歴史があるね。

個展三日目、えいえいおー!!!



個展三日目、えいえいおー!!!

個展三日目、えいえいおー!!!

個展三日目、えいえいおー!!!

人間って、当たり前に、儚いじゃないですか?
生まれては、死ぬし、出来ては弾けるし、幸せも挫けることがあるし、その掴もうと思っても掴めない人間の命の儚さをぼくはカンバスに焼きつけたかったんですよ。
ぼく自身の儚さを愛の結晶にしたものなんです。
「泡」という漢字、さんずいに包むですからね。すごいよね、漢字って、言葉って・・・。
泡が出来て、それが弾ける、その瞬間の永遠を、11日まで三越日本橋本店、特選画廊でやっています!
えいえいおー。

個展三日目、えいえいおー!!!

今から35年前、挿絵画家としてデビューした、父ちゃんイラスト画伯のデビュー作です。笑。この表紙の原画は、ギャラリーTで展示中でーす。

個展三日目、えいえいおー!!!

個展三日目、えいえいおー!!!

父ちゃんからのお知らせ。
8月11日まで、三越日本橋本店、特選画廊で、父ちゃんの個展、辻仁成展「鏡花水月」、そこにぼくはいる。

辻仁成 Art Gallery
帝京×パリ・オンラインアートカレッジ



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。