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パリ最新情報「フランスで増えるアレルギー体質。温暖化と大気汚染で1980年代より3倍へ」 Posted on 2022/11/09 Design Stories  

 
フランスにも存在する花粉症。
しかし主な原因となる植物は日本と幾分か異なっており、樺の木、トリネコ、ヒノキ、ポプラ、ヤナギ、オークなどが多い。
秋は春の始まりに次いで花粉アレルギー反応を起こしやすい季節だが、近年ではフランスでもアレルギーを発症する人が増えていて、その数は30年間で約3倍にも増加しているとのことだ。

パリのアレルギー専門医、ソフィー・シルクレット=グリュー博士が仏ラジオ番組「TF1INFO」で述べた見解によると、アレルギー体質の人がフランスで増えている理由については、例外なく地球温暖化現象が原因にあるという。
それによって花粉の飛散時期も早まり、これまでに見られなかったフランス地域でも発生しているため、アレルギー症状が長く強く続いてしまっていると指摘した。
 

パリ最新情報「フランスで増えるアレルギー体質。温暖化と大気汚染で1980年代より3倍へ」



 
ただこれは、花粉症だけでなくすべてのアレルギー患者に共通していると言える。
フランスでは、花粉症などの季節性アレルギーは今や成人の4分の1が罹患していると言われており、またダニや動物などのアレルギーは子供や大人にも増えていて、総人口の約4分の1が発症している状況だ。
さらには食物アレルギーも増加傾向にあり、現在では未成年の子どもの6〜8%、そして大人の3〜5%が罹患していると言われている。(花粉症に伴う食物アレルギーの併発という現象も、現在ではますます加速している)

地球温暖化が原因であることの他には、人々がより衛生的な環境で生活するようになり昔に比べて微生物にさらされることが少なくなったこと、また首都パリをはじめとする大気汚染が挙げられている。
ただ首都パリでは残念ながら、小さな矛盾点も生まれている。
現在パリでは緑化運動に力を入れているが、白樺やヤナギが植林されることにより花粉アレルギー発症率が高くなってしまった。
特に白樺の花粉飛散量については、30年前に比べ20%も増加している。
 

パリ最新情報「フランスで増えるアレルギー体質。温暖化と大気汚染で1980年代より3倍へ」

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WHOによれば、2050年には世界人口の半分がアレルギー体質になると報告されている。
温暖化の影響を最も受けていると言われる北半球ヨーロッパ、そしてフランスではこのところ環境保護および健康問題の報道がほとんど絶えない。
フランスでアレルギー体質の人が増えた、という背景には検査数が上がったというのもあるが、それに伴った花粉症対策も徐々に広まっていると見受けられる。

しかし日本と若干違うのは、「髪を洗うこと」がフランスにおいて広く推奨されているところだろうか。
次いでガーデニングや外出時にサングラスをかけることや、スポーツなどのアクティビティが早朝や夜間に勧められている点が少し異なっている。
 



 
ただマスクの着用に関しては「花粉症対策にも大変有効」とフランス各紙が述べており、パンデミックを通してフランスに変化をもたらしたことの一つだと感じた。
また医師からも花粉症対策としてマスク着用が推奨されており、アレルギーを持つ人たちからは「マスク着用のおかげで症状が軽くなった」という声も上がっている。

近年ではグルテンフリー専門のレストランやパン屋がパリで増加していて、こうした現象は健康志向の他にも、アレルギー体質の人に配慮した結果だと感じる。
アレルギーは今や年齢に関係なく、また人生の後半でも発症する可能性がある。
そのため専門医ソフィー・シルクレット=グリュー博士は、「アレルギーの深刻さはフランスでまだ過小評価されている」と、現在の状況を厳しく指摘した。(セ)
 

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