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パリ最新情報「フランス人が盛り上がる、会社からのクリスマスプレゼント!その中身は…?」 Posted on 2021/12/12 Design Stories  

パリ最新情報「フランス人が盛り上がる、会社からのクリスマスプレゼント!その中身は…?」

クリスマスシーズンになると、フランスでは社員にクリスマスプレゼントを用意する会社が少なくない。なぜ、そのような習慣があるのか、その中身は何なのかを紹介したい。

フランスといえば、バカンスが5週間あることが有名だが、そもそも、その権利を勝ち取ったのは、企業の労働組合だった。日本で労働組合といえば、春闘が活発というイメージがあるが、ここフランスでも静かながらも活動的だ。労働者の権利を守るだけでなく、文化活動の支援という名目で会社と交渉し、様々な補助も社員に提供している。今回は、そんなフランスの福利厚生のお話。

まず、5週間という長いバカンスには、多額の出費がつきもの。時間を手に入れた後は、それを楽しむためのお金も労働組合は交渉。なんと、バカンス費用を支援する企業もあるのだ。そういった企業では、納税額に対して補助率が変わる仕組みになっている。入社したての新人で納税額が少なければ、かかった旅費(交通費・宿泊費)に対して最大50%補填、中堅どころであれば20%というように。また、配偶者や子どもに対しても補助が出るので、子どもが多ければ多いほど、補助額も増える。勤続年数や家庭状況による格差を、少しでも穴埋めしようという意気込みを感じる。

また労働組合は、社内の趣味のグループも支援している。昼休みや就労時間後、休日などに集まるサークル活動で、写真部、ヨガクラブなど、一般的なものから、ワインクラブや、狩猟部など、フランスらしいものまで様々だ。何年も続けていく人も多いが、入会は1年単位なので、年末になると新会員を募るフォーラムが社内で開催される。その様子は、日本の大学での新入生へのサークル勧誘を思い出す。

さて、会社からのクリスマスプレゼント。お歳暮のようなグルメセットであったり、子どものための選べるプレゼントカタログであったり、商品券だったりするが、家族で楽しめるものが多い。今年から選べるグルメセットを提供した企業では、シャンパン&フォワグラセット、スイーツセット、おつまみセット、ワインセットが選べたが、ワインセットがとても人気だったという。そのワインのセレクトは、社内のワインクラブ監修という徹底ぶり。

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また大手企業は、スケートリンクや、サーカス、手品ショー等を社員のために貸し切り、クリスマスイベントを開催することも。みな家族で訪れるので、職場とは違う同僚の一面が垣間見える。

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これらの福利厚生は義務ではないが、社員の心身の健康を考えて実施されている。フランス政府も支援しており、こういった企画に関わる出費は非課税で、先日、上限額が250€(およそ3万円)に引き上げられた。ここからの経済効果も見込んでいる模様。

年末になると、使用期限が近づいた前年の商品券を慌てて使おうとする人たちをよく見かける。商品券の額面と、欲しい商品が同じ金額になることはあまりなく、お釣りは返ってこないので、大抵は少し高めのものを選び、多めに払うことになる。会社からのクリスマスプレゼントによる、経済効果は確かにありそうだ。(ウ)

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