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パリ最新情報「誰もがサンタクロースになれる『みんなのクリスマスBOX』、フランスに広がる」 Posted on 2022/12/23 Design Stories  

 
クリスマスが一大イベントであるフランス。
11月から各所がお祭りムードに包まれ、この特別なイベントはクリスマスが過ぎた1月まで続く。
西欧諸国では伝統的に24日、25日は家族と集まり、年越しは友人と過ごすことが多い。
クリスマスが祝日なこともあり、学校が冬休みに突入したあとは、親たちも1週間前後のバカンスを取って家族との団らんを楽しむ。

クリスマスツリーを飾って、家族のためにプレゼントを幾つも用意して、1年で一番のご馳走を振る舞う、というのがフランスのクリスマスだ。
しかし、誰もが家族と一緒においしい食事を楽しみながらクリスマスを過ごすことができるほど幸運な訳ではない、というのもまたフランスの実状である。
 

パリ最新情報「誰もがサンタクロースになれる『みんなのクリスマスBOX』、フランスに広がる」



 
フランス、特にパリなどの大都市では、路上生活者や難民たちがテント生活を余儀なくされている。
中には家族と離れ離れになり、遠い祖国から難を逃れてひとりで暮らしている人も。
冬季の間だけ収容できる施設はあっても、年末年始は家族との思い出を呼び覚ますとして、より一層の孤独感を抱いてしまう人もいるという。

仏赤十字社は、そんな人々にささやかなプレゼントを提供する「みんなのクリスマスBOX」を2020年からスタートさせた。
これは、厳しいロックダウン下にあった2020年の冬から始まったプロジェクトで、「誰もがサンタクロースになれる」というコンセプトの下、寄付形式でクリスマス・プレゼントを用意するという仕組みになっている。
 

パリ最新情報「誰もがサンタクロースになれる『みんなのクリスマスBOX』、フランスに広がる」

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個人でもグループでも、どんな人でも参加することができるのだが、箱に入れられる物には以下が推奨されている。
まずは、ギフトBOXを各自で用意すること。
その中に暖かい小物類(手袋、帽子、マフラーなど)を一つ、娯楽用の物(カードゲーム、本、漫画など)を一つ入れる。
また新品・期限切れでない美容用品(ボディクリームやハンドクリーム、香水、リップクリームなど)、チョコレートやマロングラッセなどのスイーツも一つずつ入れる。
そして箱はラッピングを施し、女性用、男性用または兼用と明記した上で、パリにある回収場所に各自で持ち込む。
というものだ。

回収場所は仏赤十字およびパリ市の公式ホームページに明記されており、今年は12月19日が締め切りだった。
こうして仏赤十字社がスタートさせた「みんなのクリスマスBOX」プロジェクトだったが、昨年からはフランス全土に広がりを見せている。

パリ市以外ではアルザス地方、リヨン、ストラスブールなどの地方都市が参加しており、民間では各ボランティア団体が活動するほか、企業や学校単位で申し込むところもある。
そしてプレゼントの配布先も多岐にわたっていて、路上生活者や難民以外では老人ホーム、児童養護施設、総合病院、一部大学などにも配られるようになった。
 

パリ最新情報「誰もがサンタクロースになれる『みんなのクリスマスBOX』、フランスに広がる」



 
「みんなのクリスマスBOX」は、今では赤十字社をも圧倒する勢いだという。
今年もたくさんのプレゼントが集まっているといい、配布はクリスマス当日から1月15日くらいまでボランティア団体によって行われる予定だ。

日頃は個人主義の傾向が強いフランスだが、彼らの寛容さが発揮されるのも、この時期ならではと言える。
なおクリスマスカラーの赤は「愛と寛容さ」を表しており、フランスの人々は小さな頃に、この教えを祖父母や両親から受け取っている。(オ)
 

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