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パリ最新情報「桜に思いを馳せて。パリのカクテルウィークは日本がテーマ!」 Posted on 2022/03/09 Design Stories  

パリでは3月7日より「カクテルウィーク」が始まっている。
これは市内のバーやレストラン、ワイン商が主催するイベントで、毎年この時期に開催される。その年によってテーマは変わるのだが、2022年はなんと「日本」!

パリにある多くの飲食店が参加し、特定のバーでは焼酎、日本酒、ジャパニーズウィスキー、泡盛を使ったオリジナルのカクテルを披露している。

パリ最新情報「桜に思いを馳せて。パリのカクテルウィークは日本がテーマ!」



毎年カクテルウィークに参加しているというパリ11区のバー、Monsieur Antoine(ムッシュ・アントワーヌ)では、この期間のみマスターオリジナルのジャパニーズ・カクテルを楽しむことができる。

カクテルのメニューは全部で8種類。
アペロタイムにふさわしい軽めのカクテルを用意したという。
ところで、フランスにはアペロと呼ばれる楽しいひとときがある。
これはアペリティフの略で、シンプルに「食前酒」となるのだが、フランスではもっと広い意味で「夕食前のちょっと一杯」(一杯では終わらないことが多い)を楽しむ時間となる。
仕事後や、家族と集まる食事会で行われ、おしゃべりに夢中になるばかりに気が付いたら2時間が経過していた、なんてこともよくある。

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パリ最新情報「桜に思いを馳せて。パリのカクテルウィークは日本がテーマ!」

“徳島ギムレット” ジン、柚子リキュール、レモン、米酢のカクテル

ムッシュ・アントワーヌのマスターは、そんなアぺロタイムにぴったりの飲みやすいカクテルを自身で発案した。
彼は特に日本通というわけではないものの、パリのカクテルウィークでは毎年異なるテーマを設定しているので、自分の知識を広げるためにも積極的に参加していると語ってくれた。



パリ最新情報「桜に思いを馳せて。パリのカクテルウィークは日本がテーマ!」

“緑雪” 芋焼酎、抹茶、ミルク、ソーダのカクテル

たとえば、焼酎とはどのようなお酒なのか、日本のお酒がその土地とどう関係しているのか、徳島とはどういう場所なのか、といったことをカクテル作りを通して学んだそうだ。
自身や従業員だけでなく、お客さんにも新しい発見があるといい、日本がテーマのカクテルは初日から評判が良いとのこと。

パリ最新情報「桜に思いを馳せて。パリのカクテルウィークは日本がテーマ!」

“花見” ウォッカ、桜リキュール、ぶどうジュース、ハイビスカスソーダのカクテル

なかでも一番人気なのが「花見」と名付けられたピンクのカクテルだそうだ。
見た目も可愛らしく、今の季節にもぴったりで、アペロ時間である18時から20時のあいだ、店内のあちこちでグラスに花が咲いていた。

確かに、花見はパリでもここ数年で人気の季節イベントとなった。
パリのおでかけ情報サイト「Sortir a Paris」は先日、花見というイベントがフランスでも定着しつつある、とし、日本における花見の歴史と、日本人がいかにこの習慣を大切にしているかについて詳しく言及した。
その歴史が平安時代まで遡ること、日本の気象庁が桜の開花状況を細かく報道していること、枝を揺すったり、花を摘んだりすることが絶対にNGであること、「儚い美しさの象徴であると同時に、生命や再生の象徴である」ことなどが詳しく掲載され、桜を愛する人の気持ちも美しい、とした。

パリ最新情報「桜に思いを馳せて。パリのカクテルウィークは日本がテーマ!」

パリ近郊で最も有名な桜の名所、ソー公園での花見の様子。(写真は2019年のもの)

海外暮らしが長い日本人にとって恋しいのは、お正月行事、温泉、桜なのではないだろうか。
特に桜はその美しさだけでなく、卒業式や受験、友人との花見など、桜を取り巻く記憶もセットとなって大切な思い出となっている。
日本をテーマに取り上げてくれたパリのカクテルウィークに感謝しつつ、故郷の桜に思いを馳せながら、春を待つとしたい。
2022年のカクテルウィークは3月7日から14日まで開催されている。(聖)

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