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パリ最新情報「ミニサイズが可愛い!フランスのココット活用術」 Posted on 2023/05/14 Design Stories
厚手両手鍋のココット(cocotte)は、フランス家庭に欠かせない道具の一つになっている。
煮崩れしにくく、オーブンに入れても色々な料理を作れてしまうココット。
その歴史は古く、フランスでは17世紀頃から煮込み料理に使われてきたのだという。
(当時は鋳鉄製だった)
アツアツの料理が出来ることから、ココットはフランスでも冬に大活躍している。
しかし春・夏は煮込み料理の出番が少なくなる季節だ。
そのためフランスでは今、大きいサイズではなく、ミニサイズのココットが代わって登場するようになった。
初夏のホームパーティー・バーベキューなどでは特に、このミニココットが役立っているのだという。
※パリのビストロ、ランチメニューにもあったココット。
例えばバーベキューでは、ココット・ラタトゥイユをお肉のサイドメニューとして振舞うことがあるそうだ。
レシピはとても簡単で、ミニサイズのココットにラタトゥイユを敷き詰め、上からパルメザン・チーズをかけるだけ。
もちろん網の上ではなくオーブンで料理するものだが、ラタトゥイユは夏の間、ココットとしても登場するらしい。
他のレシピとしては、季節野菜であるズッキーニのグラタン、タパス、フォンダンショコラなどが多い。
簡単なのはもちろん、ミニココットがテーブルの上に並んでいるのが何よりも可愛らしい。
※パリ6区、サン・ジェルマン=デプレにオープンした「PAINN」
そしてパリではなんと、ミニココットを使ったパン屋さんが新しくオープンした。
こちらのパン屋さんはメーカー「ル・クルーゼ」と提携しており、パンやデザートをココットに入れて焼き上げているのだという。
※トリュフパン。
ココットは熱が均一に伝わるため、内側が柔らかく、表面は黄金色でカリカリの食感に仕上がるそうだ。
朝早くにはなんとバゲットまでココットに入れて焼いているらしい。
しかし午後にはすでに売り切れていて写真が撮れず、残念だった。
※トマトのフォカッチャ。他のパンもミニ・ココット使用。
このようにフランスのココットは、“耐熱容器”以上の活躍ぶりを見せている。
大きいサイズは煮込み料理に便利だが、ミニサイズには見た目も可愛らしい上、たくさんのアイデアが詰まっている。(内)