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パリ最新情報「もう限界か。驚きの商店補償案」 Posted on 2021/03/23 Design Stories  

16地域で緩いロックダウンが行われているフランスは、現在、約9万軒の商店が閉鎖を余儀なくされている。
カフェやレストランの補償問題はよく話題になっているが、では、現在営業停止中の商店にはどのような補償が予定されているのだろうか。

現在、三つの方法が政府内で検討されているというが、どれも「えっ?」と、ちょっと驚く内容なのである。検討中の補償内容をご紹介してみよう。

1, セールを行い、在庫を処理させる。

フランスは国がセール期間を規定しており、大きいセールは年に2回と決まっている。
しかし、特別に追加セールをそこに加えるとうのが、その補償プランの一つになっている。
驚くのは、セールを許可することが、補償になる、という発想。しかし、セールの売れ行きはまちまちであり、これではかなり不公平な感じも否めない。採算が取れないと多くの商店主が反発することが予想される。

2,売れ残った服や靴を慈善団体に寄付した場合、寄付した分は税額を免除する、という補償?

今回のロックダウンで売れなかったものを慈善団体に寄付した場合、その分の税金を免除するという補償である。これが補償と言えるのかどうか、すでに意味がわからない…。

3,この期間中の商店の利益と在庫の価値を比較し、収益の損失を算出して補う。

これが一番現実的だとは思うが、在庫の価値をどうやって算出するのか、疑問である。この期間は営業していないのだから利益はない(ネット販売をしていなければ)わけで、・・・。

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カフェやレストランには一定の金額を支払って補償としているのに、同じ条件で閉鎖を余儀なくされた商店への補償がこれでは、商店主たちは納得しないような気がする。

これ以外に、次の仕入れのための融資が挙げられている。あくまでも融資なので返さないとならない。

これらは数日中に決定され、全ての商店に適用されるというが、フランスの商店主たちがこのような補償で喜ぶとはどうしても思えない。
もしかすると、ロックダウンが長引き、すでに補償をする予算がフランスの国庫にはないのかもしれない。
いつまでも国の補償体力が続くわけでもなく、その結果、税金が増えることになるのかもしれない。(み)

パリ最新情報「もう限界か。驚きの商店補償案」

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