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パリ最新情報「フランス、ファストフードの店内用容器を洗えるものに義務化。2023年1月から」 Posted on 2022/12/08 Design Stories  

 
各国の政府・企業が取り組みを進める「脱プラスチック」化。
フランスでも廃棄物対策法の一環として、プラスチック製使い捨て容器・カトラリーを禁止する法律が2020年1月より施行されている。
中でもいち早くイニチアチブを取っているのが、フランス国内のファストフード店だ。
プラスチック製のストローが廃止されたのを機に、今ではドリンクの蓋も紙製となり、「ハッピーミール」や「ハッピーセット」に付くおもちゃはプラスチック製ではなく、持続可能な素材のものにシフトしている。

こうして環境分野において国家レベルで先駆的なアクションを取るフランスだが、2023年1月からはファストフード店におけるイートイン用の紙容器までもが使用禁止となる。
これは上記と同じく、2020年に施行された廃棄物対策法の一環だ。
大手ファストフードのマクドナルドを筆頭に、バーガーキング、KFC、サブウェイ、その他カフェチェーンなど店内に20席以上を有する店舗が対象となる。
 

パリ最新情報「フランス、ファストフードの店内用容器を洗えるものに義務化。2023年1月から」



 
確かに、ファストフード店では店内飲食用にも関わらずその容器はすべて紙製で、環境にやさしいとはいえ食後にはすぐゴミ箱行きとなってしまう。
仏マクドナルドの報告によると、こうしたゴミの量は年間で22万トンにも上るといい、一日計算にしても非常に多くのゴミが発生しているとのことだ。

それではどのような容器になるのか?
まずマクドナルドでは、イートイン用のポテトケースにはセラミック容器が用いられ、ドリンクとアイスの容器はガラス製となる。
ただしハンバーガーを包む薄紙だけは例外で、味と形を保つために使用が許可される。(リサイクル可能な素材のみ)
またバーガーキングは独自のデザインで樹脂容器を開発、マクドナルドと同じくハンバーガー以外のすべての商品に適用される。
 

パリ最新情報「フランス、ファストフードの店内用容器を洗えるものに義務化。2023年1月から」

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そしてこの義務化はかなり厳しいものとなる。
ハンバーガーの包装紙は絶対に再利用可能でなければならない他、従わない店舗には罰金が課されてしまう。
ただフランス国内ではすでに、20以上のファストフード店でテスト運用がされていた。
例えば南部トゥールーズにあるマクドナルドでは、洗える容器を使った試験的な試みが2021年7月から行われている。
その結果、ゴミの量は習慣の定着とともに確実に減少したことが判明し、全廃棄物の内では約40%が削減できたという。

しかし問題点として残っているのが、食器洗浄機の導入経費・容器の盗難問題だ。
特にパリなど都市部の店舗にはスペースに余裕がない所が多く、スタッフの増員などコスト面での不安も残る。
そのため来年1月1日から即時切り替えられるのは郊外や地方の店舗がメインとなり、大都市のファストフード店では一部施行日に間に合わない可能性がある。
 



 
残念ながら盗難問題も多発するかもしれない。
ただバーガーキングの広報によれば、「最初は消えた容器がかなり発見されたが、約2ヶ月後にはその割合が減少した」とのこと。
そうは言っても、イートイン用の容器にはトレードマークのロゴが入っておりやはり狙われやすいため、各企業はこの盗難防止対策にいちばん頭を悩ませているという。

マクロン大統領は11月、「ゴミ対策法は、プラスチック製ストローを廃止するだけではありません。フランスでは消費パターンを変え、ゴミを減らすための変化が進行中です。みんなで力を合わせよう」と、新容器の写真を用いながらSNSで述べている。
なおフランス国内にある20席以上のマクドナルドは約1500店。
この変革により一店舗あたり年間1.9トン近くのゴミが減ることになるというが、将来的には大手コーヒーチェーンのように、マイ容器を持参できる日が来るかもしれない。(内)
 

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