欧州最新情報

パリ最新情報「カナダの森林火災による煙、大西洋を横断しフランスにも到達」 Posted on 2023/06/28 Design Stories  

 
カナダで続く記録的な森林火災。
その煙が大西洋を横断し、6月26日(月)には欧州西部に到達した。
気流に乗って到達した煙は26日、フランスでも確認されている。
煙はまずブルターニュ地方を中心とした大西洋沿岸で確認され、27日朝までにはフランスのいくつかの地域で、煙の影響により空が白く霞んだと報告された。

仏気象庁は、大気中の煙は今後数日かけて徐々に東へと移動し、30日頃までフランスに影響を及ぼすと予想している。
なお煙は27日現在で、高度3,000〜4,000メートル上空にあるという。
しかし煙は対流圏上部を流れるジェット気流に乗って欧州に到達していることから濃度が低くなっており、アメリカ北東部ほど深刻な大気汚染にはつながらない見通しだと述べている。
 



 
煙を含んだ空は、昨年に到達したサハラ砂漠の砂塵とは様子が異なる。
霧のベールに覆われたように、乳白色に見えるのがほとんどだが、地域・気流によって異なるため色は一つに特定できないとのこと。
流れが早く、高層雲と混じるのでその輪郭もはっきりしないが、通過すれば太陽光は遮られ空が少し暗くなるのが特徴だ。
 

パリ最新情報「カナダの森林火災による煙、大西洋を横断しフランスにも到達」

※26日夜21時頃の空。

地球カレッジ



 
カナダで発生したような大規模な森林火災は、残念ながら今後のヨーロッパでも増え続けるだろうと言われている。
なお昨年のフランスでは、ジロンド県で起きた大規模な森林火災により煙がパリ上空にまで到達したことがあった。
 



 
仏気象庁によれば、煙を含んだ雲は今週の大半、欧州上空の大気上層部に停滞すると予想されている。
フランス上空では29日(木)にピークを迎える可能性が高いということだ。
しかしながら同日29日には、フランスのいくつかの地域で雨天予報が出ている。
それにより煙の大半は消失するだろうと言われているが、微粒子の混じった汚れた雨が降る可能性が高いと指摘されている。(内)
 

自分流×帝京大学