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ロンドン最新情報「変異株コロナが猛威を振るう英国の現状と新年休校措置」 Posted on 2020/12/31 Design Stories  

変異型ウイルスが発見されて以来、クリスマスを経て、イギリスではコロナウイルスの感染者と入院患者が急増し、ついに2020年春のレベルを超えている。
これを受けて、イギリスはいくつかの緊急対策を打ち出した。
すでにロンドンなど南東部を中心に、事実上のロックダウンである最も厳しい規制「第4段階」が敷かれていたが、31日からは地域が拡大され、イングランドの住民2000万人が対象となった。
屋内では同居家族以外と会えず、必需品以外の店舗が閉店し、レストランなどの飲食業はテイクアウトのみの営業が許される。



また、来週月曜日の1月4日からは冬休み明けの新学期となるが、ロンドンのほとんどの区を含む地域で小学校をさしあたって休校とし、また予定されていた中学校の段階的スタートも遅らせる方針を発表した。
かねてから、3月から6月にかけての休校によって子供たちの心身の健康などに甚大な影響が及んだことが指摘されていたため、ボリス・ジョンソン首相は学校の休校はできる限り避ける方針を打ち出してきた。

政府は、今回の休校は医療崩壊を避けるための止むを得ない措置としている。
ガビン・ウィリアムソン教育大臣は31日朝のB B Cのニュース番組に出演し、「学校閉鎖の期間は最低限に留める」と明言した。
来週には学校にP P E(個人用防護具)などの設備を支給するほか、軍の協力も得てウイルス検査を大規模に行うことで、できるだけ学校を開いておけるように体制を整える方針だ。
学校の感染対策のために7800万ポンドの予算を確保したという。



イギリスの科学者が共同で運営し、政府や一般向けにコロナウイルスに関する研究とアドバイスを行う独立組織「インディペンデントS A G E」は、ツイッターやメディア取材への回答を通して、「ただちに国全体のロックダウンを行うこと」「学校を教師と子どもにとって安全な環境に整備すること」を提言している。

同組織のH Pによれば、5月に検査体制が整って以来、感染者の数は最悪の基準にまで達しており、また入院患者の数もコロナウイルスの感染拡大以来最悪の記録を更新し続けている。
イギリスで変異型ウイルスが発見された頃から、感染は急速に拡大しはじめ、入院患者も増えている。
現段階では、変異型ウイルスは最大で70%感染力が強いが、特に重症化の度合いが高いことはなく、またすでに開発・認可されたワクチンの効力にも変わりはないという見方が有力だ。

イギリスの場合、規制が強化されても、フランスなどとは違い、許可書の携帯などは求められないし、警察が歩いている人に尋問することもない。
事実上、個人の行動はそれぞれの良心に任されていることから、クリスマス時期に人々が規制に従わずに感染拡大を広げた可能性も否めない。
政府は「大晦日から元旦は家で家族と過ごすように」と繰り返し呼びかけている。(清)

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