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パリ最新情報「ロシアによるウクライナ侵攻直後のフランス人や政府の動き」 Posted on 2022/02/24 Design Stories  

ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。
フランスは早くから平和的解決を目指し、マクロン大統領も欧州各地を飛び回っていた。
しかし、そんな努力も水の泡、2月24日早朝(現地時間)には露軍が攻撃を開始してしまったのである。
昨日の24日夜にはパリ市役所がウクライナの国旗色に染まり、「同盟国であり友好国であるウクライナのために」という救済メッセージが送られたのだが、その願いは叶うことがなかった。

パリ最新情報「ロシアによるウクライナ侵攻直後のフランス人や政府の動き」



侵攻初日、フランスの首脳陣は非常に慌しい動きを見せた。
午前9時には、エリゼ宮で緊急の安全保障会議が開かれ、内務大臣、防衛大臣、経済大臣、外務大臣、ジャン・カステックス首相とマクロン大統領が顔を合わせた。
フランスの報道によると、マクロン大統領はウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話で会談し、「フランスの全面的な支援」を約束したという。
さらにマクロン大統領は、24日午後8時(フランス時間)にはベルギーのブリュッセルに飛び、EU首脳会議に出席するとのことだ。EU議長国として、このところフランスは欧州でも一番ウクライナ問題に働きかけている。

出典:マクロン氏公式Twitterより

パリ最新情報「ロシアによるウクライナ侵攻直後のフランス人や政府の動き」



また、24日朝にはマクロン大統領が本人の公式Twitterで「フランスは、ロシアがウクライナに戦争を仕掛けることを強く非難する。ロシアは直ちに軍事行動を停止させなければならない」と発言した。

フランスでも早朝からテレビ番組が特集を組み、ウクライナの現状を事細かに映し出している。
「2022年に戦争などありえない」「コロナが終わってやっと世界を自由に旅することができると思っていたのに」と、この現実には周囲のフランス人たちも落胆しているようだ。

この国に暮らすウクライナ人は決して少なくない。直接的、間接的に友人がウクライナ出身である、というフランスの人々も多い。
筆者の夫(フランス人)の元同僚は今朝爆撃を受けたオデッサ州出身に暮らすウクライナ人であるため、すぐに励ましと「何かできることはないか」というメッセージを送った。まだ返信はないが、彼には生まれたばかりの子供もいるといい、無事である知らせを今か今かと待ち望んでいる。

フランス西部の街アンジェでは、Anjou-Lviv協会という民間の団体がウクライナからの避難民を受け入れることを発表した。
もとは海外のダンサーたちを受け入れる団体であったが、急遽「人道的組織」に変更。
協会の会員たちは地域の空き家、もしくはホームステイができる場所をすでに30か所確保しているという。現地の状況を見て、今後はさらなる救出措置を検討するそうだ。

こうしてフランスの人々にとってウクライナは非常に身近な存在なので、政府だけでなく民間レベルでも助け合いが始まっているのだ。
今回はまさかの事態となってしまったが、一刻も早い終焉を願うばかりだ。(せ)

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