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パリ最新情報「コロナを乗り越え、パリにルーフ・トップの季節がやってきた!」 Posted on 2022/05/03 Design Stories  

 
ルーフ・トップという言葉がパリで聞かれ始めたのはいつ頃からだろうか。
パリのアパルトマンのグレーの屋根が、穏やかな波のように眼下に広がる光景は、映画などで印象的に私たちの心に刻まれるが、そんなパリを望みつつカクテルをのんびり楽しめる場所が、ここ数年パリで(コロナを乗り越え)流行っている。
 

パリ最新情報「コロナを乗り越え、パリにルーフ・トップの季節がやってきた!」

@Jérôme Galland
 


 
高層住宅が好まれないパリ。
街をちょっと高いところから眺める、というのは少しばかり貴重なことだ。
観光客ならエッフェル塔や凱旋門に登ったりしてその眺めを拝んでいたが、パリの住民は運良く眺めのいいテラスを持つ友人がいない限り、なかなか拝めないパリの像だった。
しかしそんな、人々の“眼下に望むパリの景色愛”にやっと気がついたホテルが、数年前からこぞってその屋上を空の下のバーにしてオープンしている。
 

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 気候が良くなる初夏から、夏をメインに初秋まで、強い日差しの和らぐ夕方にオープンされるのは、夏場になると盛り上がる日本のビアガーデンに似ているが、非なるのはボボ(Bourgeois-Bohème 自由な思想を持ち文化知識あるお金のある若者たち)が集う、ちょっとお洒落をして行きたい、シックな場所であることか。
そしてビールよりキュッと冷たい白ワインやシャンパン、オリジナルなカクテルが愉しまれることかもしれない。
ちょっとお高いドリンク代は、パリの眺め、心地よい肘掛け椅子やソファー、時にDJによる流行最先端の音楽…込みだと思うと、高くないだろう。
とはいえ、パリのデパートの最上階にも近年、アクセスしやすいルーフ・トップはできていて、ここではショッピング後や、仕事帰りに、賑やかに仲間たちと手頃な価格で一杯を楽しめることができて様々な人で賑わっている。
 

パリ最新情報「コロナを乗り越え、パリにルーフ・トップの季節がやってきた!」

@Jérôme Galland
 


 
しかしどうせなら贅沢にゆっくりとパリを堪能する時間を過ごしたい、という向きには、ホテルのルーフ・トップがやはりいい。
一昔前は「テラス」という名だったものが流行の「ルーフ・トップ」という名前に変わっただけ?というところもあるが、空に近づけるという喜びを提供してくれるのなら難しいことは言わないでおこう。
中でもパラスのペニンシュラホテルや、伝統あるプールで有名なホテルモリトール等、最高ホテルのルーフトップは、隠れ家的雰囲気もあり一度は行ってみたい場所。
またこの春に新しくオープンした。
その名もROOF(ルーフ : 43 rue Etienne Marcel 2区)もパリにではあまりお目にかかれない明るいバカンスムードのあるルーフ・トップ。
街の真ん中にあるが、少し地味な通りの、小さな入り口を入ってエレベータを上がると、通りとは全く別世界の広がる空中バー。
パリの眺めといえばのエッフェル塔、ノートルダム寺院が望め、パリの中で二番目に大きなサンウスタッシュ寺院が迫りくるようである。
ROOFオリジナルカクテルのおつまみはmaki(海苔巻き)。
パリの和洋折衷の味わいにどんな評価を下せるか、食通の友達と訪れてみるのも悪くない。
またROOFの階下はMadame Rêveという 5つ星ホテル(48 rue du Louvre 1区)。
9年にわたる改造を終えて、再オープンしたばかりの豪華なホテルなのだが、インテリアや好きなら興奮してしまう内装は、あのローラン・タイエブ(Laurent TAÏEB)のアートディレクションによるもの。
最上級のフレンチエレガンスと、永遠に続きそうな流行がミックスされて、現代のお城のようだ。
彼はかつて、アンドレ・プットマンとLoSushi ,フィリップ・スタルクとBon ,サマリテンヌではKongなどを生み出し、世界のインテリア界を驚かせていている。このホテルも世界の注目を今後集めていくのではないだろうか。
 (ア)
 

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