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パリ最新情報「もうすぐ新年度、露呈するパリの人材不足。どの分野が足りないのか?」 Posted on 2022/08/25 Design Stories  

 
フランスでは9月から、学校も会社も新しい一年が始まる。
パリにはバカンスでたっぷり充電した人々が戻っており、新年度に向けて心機一転、といった雰囲気だ。
ただ2022年の新年度、いくつかの企業は深刻な人材不足問題に悩まされている。
首都パリで露呈されている、この秋の人材不足を職業別にまとめた。
 



 
・カフェのギャルソン
ロックダウン以降から現在まで、最も深刻なのがカフェのギャルソン不足である。
イル・ド・フランス(パリを含む首都圏)では、今年の求人数は13,645人にも上っている(Pôle emploi=職業安定所調べ)。
これは昨年比で50%増とのことだ。
理由はさまざまだが、コロナ禍で解雇・休職が相次いだことにより、これまで従事していたスタッフが転職してしまい、そのままカフェに戻らないといった現象が一番多く発生している。
それには薄給や労働時間の多さといった問題があって、休憩時間があるとはいえ、昼から深夜までの「通し勤務」がネックになっている。
パリの若者はこのような職業を避けており、今では外国人労働者に頼るしかないというのが実情だ。
しかし残されたオーナーたちの激務は続いていて、サービスの遅れが目立ったり、臨時休業を仕方なく設置するカフェも多い。
 

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・保育士
フランスでは、保育園の受入可能数と保育士が不足している。
全国では保育園の48.6%で人員不足が発表されており、フルタイム職員の不足数は約9,000人に相当する。
パリでは特に深刻な問題となっていて、カフェスタッフと同様、低賃金と社会的地位の低さを訴える保育士が多い。
そのため今年6月には保育士によるストライキが、ボルドー、トゥール、パリといった大都市で盛んに行われるようになってしまった。
これを受けた政府は、資格を持たない保育士の採用を認める政令を8月4日に公布したが(8月31日より施行)、関係者の間ではそれを懸念する声が高まっている。

・バスの運転手
RATP(パリ交通公団)は、9月より大規模な採用計画を実施する。
ポストは首都圏におけるバスの運転手。
運転手は特に人出不足だといい、1,500人以上の正社員または契約社員での採用が予定されている。
そのためRATPは現在ユニークな採用キャンペーンを行っている。
それは、優秀な履歴書を提出したバス運転手に300ユーロ(約4万円)を支給するというもの。
さらに採用された運転手が1年後に残っていれば、追加で150ユーロ(約2万円)が支給される。
なぜここまでポストが空いているのかというと、電車と違ってバスの運転手は乗客と距離が近く、侮辱される機会があるなどストレスが多いため。
この現象はやはりコロナ禍から増えているのだが、RATPは複数人での実習や職場体験プログラムを組み込み、ドライバーの安全性を確保するよう努めている。
 

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以上の3つが、首都圏で深刻な人材不足となっている職業である。
しかしそれだけではない。
パリでは今、小学校教師、シャルル・ドゴール空港の警備員およびパスポートコントロール職員、看護師、パティシエ、シェフなども不足している。

外国人の人材も含め、昔とは違うやり方での採用が急務なフランス。
「安い労働力」を導入するのではなく、時代に合わせた変革を進めていく必要があるようだ。(こ)
 

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