欧州最新情報

パリ最新情報「パリで人気急上昇中のスイーツ、ニューヨークロールとは?」 Posted on 2022/12/04 Design Stories  

 
目まぐるしいスピードで変化する毎年のトレンドグルメ。
パリでは目下、多国籍サンドイッチやおにぎり、ヴィーガン・バーガーといった食べ物が一大ブームとなっているが、その勢いにも負けず劣らず早いのが、やはりパティスリーの世界である。

フランスには、定番中の定番といえるパティスリーがたくさんある。
エクレア、タルト・オ・シトロン(レモンタルト)、ミルフィーユなどはほとんどのブティックに毎日並んでいるし、クリスマスケーキやガレット・デ・ロワといった季節性の特別スイーツも存在する。
ところが今のパリを賑わせているのは、意外な所からやってきた、なんとも意外なスイーツだ。
 

パリ最新情報「パリで人気急上昇中のスイーツ、ニューヨークロールとは?」

※パリで流行中の「ニューヨークロール」



 
ニューヨーク生まれの「ニューヨークロール」とは、フランスにはなかったタイプの新しいハイブリッド・ペストリー。
クロワッサンのようなデニッシュ生地の中に、たっぷりのバニラ・クリームが詰まっており、さらに上からはソースが滴り落ちるようにトッピングされている。
サイズは手のひらからはみ出すほどで、大判焼きより一回り大きいといったところだろうか。
それでも中にぎっしりとクリームが詰まっているので、フランスにあるどんなヴィエノワズリー(菓子パン)よりずっしりと、重い。

最近のパリでは、スイーツの多国籍化が進んでいる。
日本のMOCHI(大福)やふわふわパンケーキ、ニューヨークチーズケーキ、今夏に流行った韓国版かき氷のピンスなどはメディアでも随分と紹介された。

今年の秋にパリに上陸したばかりの最新スイーツ、ニューヨークロールは、もとはニューヨークのペストリーショップ「ラファイエット・グランド・カフェ&ベーカリー」で生まれている。
それがSNSで話題を呼ぶと、瞬く間にパリの人気パティスリーにも広がった。
 

地球カレッジ



パリ最新情報「パリで人気急上昇中のスイーツ、ニューヨークロールとは?」

 
例えばパリに5店舗を構えるベーカリー&パティスリー「Bo&Mie(ボエミー)」では、長年のベストセラーであるフラン(フランスの国民的お菓子)が、ニューヨークロールにその座を奪われているという。
こちらではバニラクリーム×チョコレートでコーティングしたものと、ピスタチオホイップクリーム×ピスタチオコーティングの2種類あるが、どちらも夕方には売り切れてしまうというほどの人気ぶりだ。

またパリのスターパティシエ、フィリップ・コンティシーニのブティックでもニューヨークロールの販売を始めている。
ただこちらはその名を「クロワッサン・ロール」と変更し、バニラ、チョコレート、ピスタチオの3フレーバーで展開。
いずれも「食欲の爆発を保証」と謳うほどの自信作だけに、パリの各ブティックでは午後の早い時間帯で販売終了という事態が起こっている。
 



パリ最新情報「パリで人気急上昇中のスイーツ、ニューヨークロールとは?」

 
こうした現象はパリの中心部だけかと思いきや、11月末からは郊外のパティスリーでも置かれ始め、驚かされた。
フランスの情報誌では「週末の朝食に、おやつに、クロワッサンやパンオショコラの代わりにいかが?」と紹介されているが、かなりの背徳グルメであることは間違いない。
スイーツの世界でフランスとアメリカが出会う、というのも、パリの意外で新たなトレンドとなっている。(せ)
 

自分流×帝京大学