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パリ最新情報「静かな話題、パリ・タパスがいま、新しい」 Posted on 2022/02/02 Design Stories  

「フレディ」という店が凄い、とソムリエの知り合いが言ったので、食い道楽の彼女が言うなら間違いだろうと、出かけてみると、これが、タパスなのであった。
パリでも十年くらい前からあちこちにスペイン風の(スペイン人が経営するような)タパスが出来、ちょっと飲んで騒ぎたいという若者たちを中心に人気を博していた。
スペインに行った気分になるので悪くないのだけど、だったら、やっぱスペインで食べたいよね~、と思ってしまう。
ところが、この「フレディ」はぜんぜんスペイン風ではなく、斬新な、パリ・タパスなのだった。
パリ・タパス、このコンセプトが面白い。見事にフランス風にアレンジ!

Freddy’s
54 rue de Seine, 75006 Paris

パリ最新情報「静かな話題、パリ・タパスがいま、新しい」

パリ最新情報「静かな話題、パリ・タパスがいま、新しい」



メニューが看板にずらりと並んでいるのだけど、一番安いのだと6ユーロから。
高くても10ユーロくらいかな・・・。
「タパスだから、全部、前菜サイズだけどね」
と支配人のカンタンさんが教えてくれた。
日本円にすると、700円から1200円くらいの間って感じなのだけど、フランスは日本よりかなり物価が高いので、この価格帯は異常に安く感じる。
カフェで一皿注文すると15ユーロから20ユーロくらいは普通にかかってしまう。
食道楽のその友人にセレクトをお任せしたのだけど、出てきたものに外れや手抜きがなく、どれも美味しかった。
しかも、スペインの風は感じるのだけど、洗練されていて、お世辞抜きに、高級レストランで出される前菜レベルに美味しい。
全部がスモールポーションなのもめっちゃ嬉しい。
ちょっとずつ、つまんで、足りなければ追加、みたいなところは、確かに、タパス風なのだ。
バルセロナに行った時も、新世代のタパスが大ヒットしていたけど、フレンチと見間違えるくらいの料理が出てきて・・・、
たとえば、フレンチフライの上にトリュフチーズソースがかかっていたり。
ああ、確かに、タパスも次世代に移行中なのかもしれない。
同席していた料理業界関係者氏が、これ、日本でやったらヒットするわ、と呟いていたけど、まさに!
あっさりしているのだけど、様々なスパイスが巧妙に仕込まれていて、(ちょっと甘めというのも特徴)で、アジア風の味付けもちらっと感じる。

パリ最新情報「静かな話題、パリ・タパスがいま、新しい」

※ 手前が焼き鳥、備長炭。。。奥のがフィッシュアンドNOチップス。下のが鯖塩、うまかった・・・

パリ最新情報「静かな話題、パリ・タパスがいま、新しい」



日本人仲間情報によると、在仏日本人の食い道楽たちの間でも、話題の店なんだとか。
焼き鳥があったので、興味がわいて、注文したら、えええ、まさかの備長炭じゃない? 
なぜ、備長炭が使われているのか聞いてみると、なんと、シェフは日本人だったのだ。
オープンキッチンでフランス人たちの陣頭指揮をとっていたのが、その日本人シェフのサトシさんであった。
なるほど、この店のアジアテイストはそこからか、しかし、彼は経営者ではない。
なんでも、オーナーは英国人らしい。
フィッシュアンドチップスを頼んだら、ポテトがついてなかった。よく見ると、フィッシュアンドNOチップス、というネーミング。にくい。このセンス。
あくまで、軽くつまめる仕様になっている、ところもタパスっぽくていいのだ。
なので、思わず、もう一皿、追加してしまう。いろいろと食べられて、パリにしては低価格なので人気が出ても当然であろう。
一流レストランのシェフのおすすめコース(デギュスタシオン)的な満足感・・・、最後は、みんな納得し、席を立つ。この新しいタパス・レストランが今後、パリでは話題になるのかもしれない。(中)

パリ最新情報「静かな話題、パリ・タパスがいま、新しい」



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これで日本円で700円くらいというのだから、安いですね。

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