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ドイツ最新情報「街中にゴミ箱がたくさん。ドイツのゴミ事情」 Posted on 2023/10/30 Design Stories  

日本に帰国するとよく思うのが、どうして街中にゴミ箱がないのか、ということ。ゴミを捨てたいと思っても、ゴミ箱が全然見つからない。それに比べるとドイツでは街の至る所にゴミ箱があり、バス停やトラムの駅には必ずゴミ箱が設置されている。
この違いはどこから来るのだろうか?

先日、日本経済新聞にこんな記事が掲載されていた。
「ゴミ箱は置いたら負けか、「少ない日本」脱却の動き」
その記事の中で日本にゴミ箱が少ない理由として挙げられていたのは以下のとおり。

ー管理の難しさと費用
ー家庭ゴミ廃棄の有料化に伴う家庭ゴミの持ち込み
ー地下鉄サリン事件前後からの安全対策

でもその理由では、日本のゴミ箱の少なさには納得できない気がした。管理の難しさと費用は国によってそれほど違いがあるとは思えないし、ドイツでも家庭ゴミの廃棄は有料。それに安全対策という面から考えると、ドイツのほうが日本より治安はよくないのではないだろうか。

ドイツ最新情報「街中にゴミ箱がたくさん。ドイツのゴミ事情」



ドイツの家庭ゴミの廃棄は、一軒家の場合、市からゴミ箱を有料で借りる仕組みになっている。ゴミ箱の種類は、生ゴミ紙類ガラスその他分別不可能ゴミ、の4種類。プラスチック等のリサイクル可能なゴミは市が無料で配布している指定のゴミ袋に入れて捨てる。
そして、粗大ゴミは申込制。料金は分別不可能ゴミのゴミ箱の大きさで決まる。各家庭で借りられるゴミ箱の大きさは60L、120L、240Lの3種類で、料金は60Lが年122,81 ユーロ(約2万円)、120L、240Lは60Lのゴミ箱のそれぞれ2倍、4倍の料金である(大きさによる割引はもちろんない)。生ゴミ、紙類のゴミ箱サイズも分別不可能ゴミと同じ設定だが、同じサイズにする必要はなく、各ゴミ箱のサイズは自由に選ぶことができる。ちなみに我が家では生ゴミは60L、紙類は一番大きい240Lを設置している。

収集は生ゴミが1週間に一度、その他は2週間に一度のサイクル。日本では燃えるゴミは週2回、分別ゴミ/古紙は週1回の回収だったと記憶しているので、日本に比べるとかなりゴミの収集頻度は低い。

ドイツ最新情報「街中にゴミ箱がたくさん。ドイツのゴミ事情」

ドイツ最新情報「街中にゴミ箱がたくさん。ドイツのゴミ事情」

粗大ゴミは個別に回収センターに申し込みをし、指定日に外に出しておくと回収してくれる。日本は粗大ゴミは有料だが、ドイツでは各家庭につき年4回までは無料。一度に回収してくれる量に特に制限はない。面白いのは、ドイツで粗大ゴミを出しておくと、回収前に誰かが持っていってなくなっていることが多いこと。私は最近車輪の壊れた古いスーツケースを粗大ゴミに出したが、回収される前になくなっていた。これは日本ではあまりないことだろう。

コロナ禍も終わり円安も相まって、日本への観光客は今後ますます増えると思われるが、今後ゴミ箱が増えることはあるのだろうか?(マ)

ドイツ最新情報「街中にゴミ箱がたくさん。ドイツのゴミ事情」

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