JINSEI STORIES

滞日日記「日本を世界へ、JapanStories、創刊まで2週間!!!!」 Posted on 2022/08/20 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、全世界にフランス語と英語でザ・日本を紹介するウェブサイト、ジャパンストーリーズがいよいよ、創刊へ向けて、最終調整に入ったのであーる。やっほー。
編集長のぼくを中心に、4,5名の日仏混合スタッフで運営することになる。一本線野郎のムッシュ・やなさんが構築を担当、素晴らしいお仕事ぶりである。
フランス語がここでの第一言語にはなるが、オリジナルテキスト、というボタンを押すと、日本語でも読むことが出来る。(日本の人にももっと、ディスカバージャパン、して頂きたい)
たとえば、9月の総力特集は世界各国で評価も出つつある「日本酒」がテーマの一つ。
岩手の南部美人については、五代目蔵元の久慈浩介さんご本人が文章を書いてくださっている。
ほぼ、どこの蔵元の当主も、達筆な方が多く、ライターさんではなく、ご自身がご自身の文章で、その土地の伝統や風土を織り込み、語ってくださっているのが、このサイトの特徴になる。ここにはこだわりがある。日本語が大事だ、ということだ。
伊勢原の吉川醸造など、世界の日本酒コンクールで評価を受けてきた日本酒メーカーさんにお声をかけさせてもらい、趣旨に賛同を頂き、地元の人にしかわからない風土や文化を織り込んでご自身の酒造りの本質を書いて頂きている。
実に知的な文面で、仏語訳は苦労をした。選任の仏語担当がいるので、細かい言い回しを直したりもしているところ・・・。(父ちゃんには無理・・・えへへ)

滞日日記「日本を世界へ、JapanStories、創刊まで2週間!!!!」

※ ジャパンストーリーズは、こういう画面から中に入ると、様々な、特集ページに移動します。デザインストーリーズとは構築チームが違うので、その差も面白いです。構築のやなさんは、実は、フランス大企業のデザイン部門で頑張る日本人!(内緒ですけど・・・)日本が誇るやなさんの仕事ぶりに乞うご期待!!!



この記事を読んだフランス人読者が、南部美人の存在を知り、飲みたい、と思って頂けたら、凄いじゃないのー。
たとえば、南部美人は、岩手県二戸市に蔵元があるが、ここの人口は2万6千人ほど、・・しかし、ご存じのように、ここは漆の産地で有名だ。
久慈さんは、その土地のすばらしさと、伝統工芸などの質の高さをご自身の酒造りと絡ませて、書かれている。
読み物としても素晴らしい出来栄えだけど、そういう人が日本酒を作っているということを、ぼくは世界に届けたい。商品もだけど、人間も・・・。
酒造りの人々の知性の豊かさに、驚かされ、ぼくはこのウェブサイトの意味がそこにあることに気づくことが出来た。
日本は今、経済も円も弱くなっているというが、ソフトパワーの底力はまだまだ半端ない。目先のものだけを売るのじゃなく、こういうところに目を付け、海外で暮らす日本人であるぼくらが、日本の本当の良さと伝統を世界に広げてこそ、日本再生の次の機会もあるのじゃないか、と思う次第である。

滞日日記「日本を世界へ、JapanStories、創刊まで2週間!!!!」



小さな活動だけれど、出来る限り世界の人々へ浸透させていきたいと思う。
世界を目指す伝統工芸、食品、デザイン、芸能文化、その他、なんでも、日本の神髄が備わる価値観を共有できる方々を応援していきたい。
ジャパンストーリーズを世界の日本好きに広めるにあたり、まずは、編集部一同、力をあわせたい、と思うのであーる。
あと、2週間、よっしゃ、頑張ろう。えいえいおー。

つづく。

ということで、今日も読んでくれてありがとうございます。
このデザインストーリーズとジャパンストーリーズ、世界から日本へ、日本から世界へ、という兄弟サイトを作るのが、デザインストーリーズ創刊時からのぼくの夢でした。外国の皆さんがここに訪れ、読んで貰えて、日本好きが増えていくことはぼくにとっても楽しみの一つなのです。ぜひ、応援ください。

地球カレッジ

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