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リサイクル日記「毎日、フレンチは無理。外食なら断然、パリのアジア飯が最高!」 Posted on 2023/04/19 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、たしかにカフェ飯は美味しいのだけど、キッシュだとか、ブルブルギニヨンだとか、グラタンだとか、食の細い父ちゃん、さすがに毎日食べることが出来ない。
今は身体づくりをしているので、脂っぽいものは自然と避けてしまう。ということで、ぼくの足と舌は自然とアジア飯へと向かう。
フランスはもともとベトナムの宗主国だったこともあり、ベトナム料理がかなり充実している。フランス人の心を奪って離さない。
ぼくは週に一度はベトナムレストランへと通い詰めている。
フォーだとか、ベトナム風焼肉丼だとか、ネム(揚げ春巻き)だとか、ミントやコリアンダーなどの香野菜が好きだから、こりゃあ、たまらない。

リサイクル日記「毎日、フレンチは無理。外食なら断然、パリのアジア飯が最高!」

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息子が中華街で一人暮らしをしているので、最近は自然と中華街へ足が向くことも多い。
パリには巨大な中華街がふたつあり、どちらもアジア飯の食材供給地となっている。
とくに13区の中華街は中国系だけじゃなく、タイ、ベトナム、カンボジア系の食材店、レストランも中国系に負けないくらいあって、食欲がいくらあっても足りないくらいの食道楽の都となっている。
中国料理屋はベトナムやタイに比べよりダイナミックだ。
ぼくの好物は五香を使った刀削麺、いやぁ、これは不思議な薬膳的な香りに手作りの刀削麺が、名古屋のきしめんをいっそうダイナミックしたような食感で襲い掛かって来る。
たまらない。
店先にはラケと言われる肉(豚とか鴨とか)のローストが吊るされている。
これを白米の上に二種類並べてもらい、アマダレをかけて、ぼくはよく食す。
チャーシュー丼だと思ってもらえばいいが、カリカリしていて異常にうまい。
あと、日本のとんかつとは違うのだけど、豚肉を高温の脂で揚げ焼きをしたとんかつ風の豚料理があって、とんかつのようなサクサク感はなく、カリカリ! 超香ばしい。
これもハマる。上品さはないけれど、欲望に火がつく。まいうー。

リサイクル日記「毎日、フレンチは無理。外食なら断然、パリのアジア飯が最高!」

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最近、和食に負けないくらい人気急上昇なのが、韓国料理だ。
パリの韓国レストランは、実に洗練されていて、BTSなどの影響もあるのだろう、フランスの若い人に大人気なのである。
おなじみ、ビビンバ、チャプチェ、豆腐チゲ、パジョンなどが美味しい。
日本でよく食べる韓国焼肉のようなものは、残念ながら、存在しない。(たまにあるけれど、違うかな)
それは多分、肉が違うのだと思う。
フランスは赤肉が中心だからである。さしの入った肉はWAGYUと呼ばれ、かなり高い。(オーストラリア産、スペイン産の和牛である)
でも、赤肉の方がカロリーは少ないし、健康にいいので、ぼくとしては赤肉がよいのだ。ヘルシーに食欲を満たしたい。

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さて、今日は何を食べに行こう。
そうだ。前回行った、凱旋門に近いワグラム通りのタイレストランSIAMがいいかも。
ここに、パンダン・リーフで包んだマリネ鶏肉の揚げ料理(KAI・HO・BAI・TEUY)がある。
パリではここが唯一やっている。これは手間暇かかる料理なので、今や、パリで出している店もここを含め、2,3軒となった。
病みつきになるタイ料理。
タラをバナナの葉で包んで蒸し焼きにした「アモック」も大好物。
日本ではなかなか味わうことのできないパリのアジア飯、フランスにお越しの際は、ぜひ、お試しいただきたい!

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つつく。

今日も読んでくれてありがとう。
フレンチは毎日は無理だけど、たまに食べると美味い。しかし、アジア飯はやはり、毎日でも食べることが出来るので、ありがたいですね。世界中のうまいものが集まるパリのアジア飯、これからもご紹介していきたいと思います。

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