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リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」 Posted on 2023/11/11 辻 仁成 作家 パリ

この日記は、コロナ禍になる前(2019年)に、スペインのセビリアを旅した時に書いたものだが、最近、ぼくの友人たちのあいだで、ツジビルなんかでも、静かな人気なものだから、もっと広めたいと思い、アンコール上映ならぬ、アンコール掲載となったぁ~。
めでたし。マジで、美味しいです!
見栄えはなかなか悪いのだけれど、冗談抜きに、美味い。
しかも、じゃがいもと卵だけで出来るのだから、超安上がりなのだ。ビールのお供に最高なので、お父さんも、大喜び。
今日は、リサイクル日記で、セビリアの味を、おとどけします。どうぞ~!!!!

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」

ということで、まずは、地理・社会史の勉強からはじめよう。
ジブラルタル海峡はどこにあるかわかるかな~? 
はい、ご名答!
もうちょっと正確に言うと、イベリア半島のスペイン領、それから英国領のジブラルタル、そして南側はモロッコという3つの国や地域に囲まれた狭い海峡なんだよ。
古代から軍事的にも海上交通路としてもとっても重要な場所だった。いいね? 
素晴らしい場所だけど、その海峡の北側に広がるのが、父ちゃんの大好きなアンダルシア州、フラメンコとかスパニッシュ音楽などで有名で、州都がセビリアだ。

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」



実は父ちゃんの音楽はスペインの影響を強く受けている。
最近はとくにスパニッシュギター風の奏法を特に取り入れているんだ。「空」という曲なんかが、代表的なんだがなぁ、☞知らんわ!!!あはは。
というのも、セビリアから、大きな影響を受けた。
で、父ちゃんがたまたま入ったラモンおじさんという人のレストランで、まさにこの情熱的な太陽の街を体現するような料理と出会ってしまったのだ。
スパニッシュギターのダイナミックな音に引き寄せられ、辿り着いた広場の片隅、路地ではフラメンコダンサーのような、多分、素人の女性だと思うけど、笑顔で、踊りながら、その人に手招きされるように、というのは父ちゃん、ほら、妖艶なマダムに惹かれるタイプのおじさんだから、えへへ、(*ノωノ)

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」



店内に入ると、天井から生ハムの、ほら豚の足が吊るされてるじゃん、『ハモンイベリコ原木』と呼ぶんだけど、あれがずらっと吊るされていて、下で男たちが立ちながらシェリー酒片手になんか食べてた。
そう、彼らが美味そうに食ってたのが、父ちゃん自慢の「ラモンおじさんのスパニッシュ・オムレツ」ということになる。
ただのオムレツなんだけどね、ただものじゃない!
なんたって、材料は卵とジャガイモとオリーブオイルだけなんだから、すごくないか!? (パプリカパウダーが決めてです)



でも、いつでも、どこでも食べたい時にサッと作ることが出来るし、お金もかからない、時間もかからない、本当に簡単で便利な料理なのである。
時には小腹が空いた時のおやつになるし、ビールやワインのおつまみににも最適!
このレシピは知っておいた方がいいのだ。
とはいえ、めっちゃ簡単だから、教えるほどでもない。

まず、皮を剥いたジャガイモもを、1センチ程度の輪切りにする。
好みで5ミリ程度にしてもいい。
父ちゃんは結構小食だから薄目で作るけど、育ちざかりのお子さんがいるご家庭や、ビール好きのお父さんがいるおうちなら、分厚くていいだろう。
で、茹でる。ここはいつもと同じ、竹串がすっと入ったら完成、とりだし、水を切ってから、皿に並べるんだ。
満遍なく並べたら、上に刻みネギなどを散らす。
そしたら、フライパンにちょっと多めのオリーブオイルをひく。
揚げ焼きにするので、ここはマジ多めオイルが必要。だいたい、5ミリくらいかなぁ。
で、そこに卵を、3,4個落として、最初は強火で底がちょっとカリカリになるまで焼く。
ひっくりかえさない。これが大事!
下からの熱で表面の白身が白くなってきたら、完全に白くなる前で火を止め、もちろん、黄身は生の状態のまま、フライパンを持ちあげ、目玉焼きを先ほどのジャガイモの上にスライドさせて、絶妙に、載せる。
残ったオイルは必ず回し掛けすること。
このオイルが最高にうまい!!!
卵の上に、たっぷり目のパピリカパウダーをザザっとかけ、そこにフラー・ド・セル(塩の華)を散らし、胡椒で味を調え、完成となる。
料理と呼べるようなものじゃないが、だからこそ、シンプル・イズ・超ベストなのであーる!

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」



この塩加減とパプリカと卵の黄身、ほのかに焦げた白身のカリカリ、そして柔らかいジャガイモのハーモニーは、文句なし。
スペイン人ってシンプルなものを作り出し、楽しむ天才なんだよね~。
スパニッシュじゃが玉を頬張りながら、シェリー酒飲んで、酔って弾くスパニッシュギターは最高だよ! えへへ。
では、さっそく、喰らいつきますか!

リサイクル料理教室「アンコール!最高に美味い、セビリアで出会った、スパニッシュじゃが玉」

材料
卵、3,4個、好きなだけ、どうぞ
ジャガイモ、これも好きなだけどうぞ
オリーブオイル、多めに
パプリカパウダー、
フラー・ド・セル(塩の華)、適量
葱、少々
胡椒、適量
全部、適量でけっこうです。笑。

Youtubeに、動画で、作り方を解説しているので、よければ、ご覧ください。さらに、臨場感、アリマス。☟☟☟

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