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基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か Posted on 2026/09/09 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
ふと思ったんですが、肉体って、モビルスーツみたいなものだなって。
体を鍛えているので、買い物に出かけて、スーパーの上のものをつかんだり、しゃがんで下のものをつかんで立ち上がったり、階段の登りおりも、鍛えているおかげで、最近、ものすごく軽やかなんです。笑。
で、今日、リヨンの個展作品のニス塗りをしていたんですが、大きなキャンバスを抱えて移動させるのも苦じゃない。すごいな、と思ったんですよね。まるでガンダムみたい。
父ちゃんの魂が、辻モビルスーツに入って、動かしているんで、パワーショベルみたいに、軽やかに動くんです。けっこう、いい歳なんですが、スーパーにいって今日、ワインを5本買って、肉とか野菜とかいっぱい買ったんですが、両肩がふさがるくらいの荷物、でも、そこまで重くないんです。
毎日のスクワットや筋トレが効いてる証拠ですね。
この肉体を維持させているものが、もう一つあって、それは食事なんだと思います。
おいしいと思えるものを毎日、作ることを生活の基礎としているので、健全で健康なのは、当然です。
もちろん、突発性難聴のような厄介を抱えてはいるけれど、辻モビルスーツは父ちゃんの魂を載せて今日も頑丈に軽やかに頑張っているんですよね。
その健康の根本は、毎日の自炊に勝因があるように思います。気を付けて食材を選び、おいしいを徹底的に追及して、毎日、昼夜2度、キッチンに立っているのだから、・・・。
キッチンで料理をしているだけでも、運動になりますし、気晴らしにもなります。目指すのは、今日を幸福な一日にするための最強飯、なんです。

基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か



基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か

もちろん、手抜きをする日もありますが、その手抜きでさえも、最低限自分が許せる範囲のものを作るようにしています。なんで、そんなことやるのか、って?
たぶん、毎日がおいしければ幸せになる、とある日、決めたからじゃないかな。
おいしいも人によっていろいろとあるでしょう。
きっかけはやっぱり息子だったと思います。おいしいが笑顔をうむんだ、と自分に言い聞かせて、毎日、料理をしていた時期に、気づいた。これは本当に人間の基礎だな、って。
息子は今年、大学を卒業しました。息子も料理男子になりました。一方の父ちゃんはノルマンディで暮らしています。でも、自炊生活が大好きだし、とっても、救われているんです。
おいしいと思える毎日は、健康を生み出します。食前も食後もストレッチとスクワットをしている。
伸びやかな声が出ます。絵に集中をしても、体力があるから、だいたいは乗り越えられるんです。
すべて「毎日のおいしい」のおかげなんですよ。

基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か



基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か

浅漬けだって、ぬか漬けだって、簡単ですよ。
漬かり具合がこれまた楽しめます。失敗しても、おいしい。なぜなら、自分で漬けたものだからです。
料理をしたことがない人がこの文章を今、読んでいるとします。ぼくは、ぜひ、料理をすすめたい、です。男性も、女性にも。
なぜなら、ものすごく楽しいし、さらには、自分が健康になるから、ですよ。
ぼくの料理には添加物さえ入ってないです。入っていてもいいんです。多少は、食べないとならないでしょう。
でも、自分が食べているものが、ちゃんと目の行き届いている範囲にあることは、自分のモビルスーツの性能に直結するんですよね。
ぼくの体はおいしいから生まれいます。
ぼくはプロの料理人じゃない、ぼくはふつうに料理が大好きなおやじなんです。あとね、おいしいがあれば、だいたいの人は笑顔になります。おいしいは人を笑顔にさせる!
素晴らしいと思いませんか?
たったそれだけのことで、毎日が豊かになる。
苦しい時にこそ、ぼくは一生懸命おいしいものを作るようにしてきました。
これ以上のことはないです。

基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か



基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か

ということで、夕ご飯を作ります。
その前にスーパーに買い物に行きます。大きなスーパーなので、小一時間くらいそこで時間をつぶします。超たのしい。
何を食べようかな、と考えながら、物色するのがとっても楽しいです。期限切れが迫っている商品は半額! 5時からセールってやつはフランスにもあるんですよ。
ねらいめですね。
主夫ですからね。
週に3回、スーパーに、週に2回、マルシェに行きます。少しずつ、買うんです。そのほうが楽しいからです。
スーパーのレジのマダムとはもう、大の仲良しなんですよ。
「あら、今日も元気ね、ムッシュ」
「ええ、今日はこのお肉が安かったので、うれしいんですよ」
半額のシール、のぞきあって、笑顔はじけますよね。
よし、明日も頑張ってやるぞ!
小さな声で、えいえいおー。

基本に戻って、父ちゃんにとって料理とは何か

父ちゃんの独り言、&、近況のようなもの。
今日、日本時間何時になるか、わかりませんが、「となりのヒトナリ」第8回かな、やります。今日は、キッチンからじゃなく、アトリエの仕事場から、ひそひそ話です。笑。
あと、明日になりますが、ライブについて、発表があります。
なんだろう・・・。

9月4日、新刊「泡」が出ました。知り合いから、書店につんであったよ、と現場写真が届けられて、うれしいです。読まれてほしいですけれど、・・・。
秋に、パリのモダンアートフェアに、リヨンで、個展もあり、芸術の秋ですね。

辻仁成 Art Gallery
帝京×パリ・オンラインアートカレッジ



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。