PANORAMA STORIES

バルセロナのロックダウン解除、やっとフェーズ1に移行 Posted on 2020/05/30 林 真弓 通訳・ガイド・イベントコーディネーター バルセロナ

今週からやっとバルセロナとマドリッドがロックダウン解除フェーズ1に移行した。

フェーズ1とは、
移動範囲: 今までは自宅から1キロ圏内だったのがバルセロナ市内なら移動可能
人数:10人までなら集まってよい
レストラン・バル:テラス席に限りキャパ半分で営業可能。ソーシャルディスタンス及び消毒マスト
文化公演:観客30名以下(キャパ1/3)なら可能

等々。まことに詳しくとり決められていて全部読んでいると頭が痛くなってくる。詳細を知りたい方は在スペイン日本大使館のサイトで随時更新されているので、そちらをご参照ください。

バルセロナのロックダウン解除、やっとフェーズ1に移行



非常警戒宣言自体は6月7日まで延長されたものの、基本、食料買い出し及び犬の散歩以外の外出が認められなかった頃と比べると大分閉塞感が薄らいできた。外を堂々と散歩できるだけでも気持ちがだいぶ楽だし、市内に住んでいる友だちなら会おうと思えば会える。朝食を家で摂る習慣がほとんどないスペイン人たちにとって、陽光の中、テラス席に座ってコーヒーが飲めるようになったのは、日常を取り戻した勝利感を感じられるひとときだろう。

バルセロナのロックダウン解除、やっとフェーズ1に移行

他のスペインの地方に遅れてやっと、大都市マドリッドとバルセロナがフェーズ1に移行した日、さぞかし賑やかなお祭り騒ぎになることだろうと思っていたのに、それがそうでもなかった。マドリッドはどうだったか知らないけれど、バルセロナはコロナ前の街に比べたらまだまだおとなしい。観光客がいないせいもあるかもしれないが、やはり皆手放しに喜べない心情なんだと推察する。オンライン飲み会をしていた友人たちからもまだリアル飲み会の提案はない。コロナは一応収束に向かっている兆しはあるけれど、終息したわけではない、ということをお互い理解しているからだろう。経済的な心配もあるのかもしれない。
ともかくフェーズ1第一週目は恐る恐る様子を見ながらスタートした、という印象だ。パーティーキャピタルとして知られるバルセロナの市民が想像以上に辛抱強く、抑制した行動を取っていて感心する。いつもならこの季節、思わず目を丸くしてしまうような露出度の服装で歩く男女も多いのに、今年はそんな姿もなく、マスク率も高い。フェイスシールドを付けている人もいる。マスク着用が義務付けられているのは屋内と公共交通機関内だけなのだけど、外を歩いている人も7割くらいは着用している。テラス席でもビールが来るのを待っている間はマスクをし、飲むときはそれを下にずらして飲んでいる人もいる。マスクはおろか、まさかバルセロナで顎マスクを見かける日が来ようとは!

バルセロナのロックダウン解除、やっとフェーズ1に移行

それでも4日目になると少しずつ変化が見られるようになってきた。10人までは会っていいので、10人ちょうどで街を闊歩する若者たちを見かける。ちょっとおしゃれをした女性もちらほら見かけるようになった。ヒールの高いサンダルを履いている女性。ヴィトンのバッグを提げた女性。今までは機能的な服にエコバッグ姿ばかりだったのでなんだか新鮮だ。
ふと思いついて、いつものランニングコースを逸脱しサグラダファミリアに行ってみる。やはりほとんど人がいない。入場口付近はもちろん、周辺の道がすべて観光客で埋め尽くされる教会が今はひっそりと一人で立っている。まだ工事も再開していなさそうだ。周りにいるのは散歩やランニングをする市民たちのみ。この教会が観光客のものではなく、周辺住民のものに戻っているこの期間はものすごく貴重な時間なのかもしれない。

バルセロナのロックダウン解除、やっとフェーズ1に移行

生誕の門の前を走り、後陣に回り、回廊を作る工事が着工しそうな状態でそのままになっているのを見る。周辺のファーストフード店も閉まったままだ。客がいなければ開けても意味がないのだろう。楽しみにしていた受難の門側の公園に向かう。思った通り、ジャカランダの花が綺麗に咲き誇っていた。この景色だけはやはりなるべくたくさんの人に見てもらいたいものだと思う。

バルセロナのロックダウン解除、やっとフェーズ1に移行



Posted by 林 真弓

林 真弓

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Mayumi Hayashi
通訳は主に英日だが、使用可能言語は、日、英、伊、西、仏。
オーストラリア、キャンベラ大学で応用言語学の修士号を取得したのち、地元岡山の大学にて英語非常勤講師。英語以外の言語を学びたくなり、32歳でフランス、トゥールーズに語学留学。その後イタリア、ベネチアで約9年の滞在を経て、現在バルセロナ在住。イタリアで知り合ったイギリス人の夫とスペインに住む、という??な、でもある意味非常に欧州的な状況を楽しむ毎日である。