ノルマンディ、ツジ村便り
辻村窓口相談、「未来が過去を変える法則」 Posted on 2026/08/13 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
さっそくですが、今日も「相談窓口」を開店させていただきます。
今日はメンタルについて、少し、お話をします。
☆
匿名希望Tさん
「あの、メンタルが強いとか、弱いとか、よく聞きますが。俺はメンタル強いと思って生きてきたんですが、とある先輩なんですけれども、先日、飲み屋で、おまえさ、口ばかりで結局、何も出来てないやん、何やってきたか、じゃあ、自分のいいところ言うてみィよ、と言われたんで、いろいろ自分なりに自慢できると思っていた過去の成功例を口にしてみたんですが、ことごとく、なんやその程度か、それはぜんぜんダメ、と否定されてしまい、その次の日、仕事を休んでしまって、落ち込んでいます。辻さんは、日本人的にはけっこう打たれ強い人という印象があるんですが、すいません、辻さんでもメンタル崩壊することありますか? もし、強くなるための方法なんかがあれば、ご伝授ください。よろしくお願いいたします」

おこたえしまーす。
☆
「ぼくはですね、メンタル崩壊は一度もないです。たしかにおっしゃる通り、修羅場を何度も潜って来たし、みなさんご存じのようにマスコミにも各業界からも怖い人からもいろいろとやられた過去は多々ありますが、そういうどん底の時でも、メンタルの崩壊はおこりませんでした。もちろん、落ち込んで寝れないこととか、ありましたが、常に、気をたしかに持って、なんとか乗り越えてきたんです。かんたんに説明してみましょうか。ぼくは他人の批判をまともに受け止めることはしません。なぜなら、人間は神様じゃないし、偉い人って言っても尊敬出来ない人ばかりの年功序列世界であるわけで、ちょっと早く生まれて少し早く仕事を始めたくらいの人に、とやかく言われていちいち落ち込むのは、おかしい、と気づいていたからです。たとえば学校の校長先生に怒られたことがありまして、しかし、たいしたことじゃなかったんです。子供ですから多少の悪戯は普通だと思うし、校長先生だって、子供の頃は同じだったでしょ、と言い返して一度叩かれたこともありました。でも、叩く時点で、この上から目線は人間に対して非礼な奴で尊敬に値しない、とぼくは心の中でこの人の生き方を否定していました。このように、ぼくは今まで他人の評価に左右されずに生きてきたわけです。(もちろん、ぼくの方から人間を馬鹿にしたことも、差別をしたことも一度とないです)こう書きますと、少しは他人のことも聞けよ、と怒って来る人がいると思うんですが、ちょっと待って下さい。あなたの質問にこたえるのに、一番正しいことを今から言わせてもらいます。まず、他人の評価を気にし過ぎるから、人間はメンタルが崩壊とかしちゃうわけで、他人は神様じゃない、と思うことからはじめてはどうでしょう。自分より、一回り上の人間でもまだ人間界の修行の身で、間違いとか、普通にしている。警官だって、聖職者だって、教師だって、犯罪おかす場合も多々あるじゃないですか・・・、この世界で、完璧なものを人間に求めるのは間違いですし、自分より先に生まれた人がみんな凄いというのは相当にやばい認識で、他人は、ある種のご意見番に過ぎない、と思う程度でよい。あと、失敗しちゃうと、それがトラウマになる人が多いですが、過去に縛られ過ぎると、メンタルが壊れやすくなるのは、過去は取り戻せないから、なんです。ただ、方法があります。過去に大失敗をしても、今を精一杯生きていい結果を出すことが出来れば、未来はよくなります。そうするとですね、今も含めて、過去さえも、その失敗があったことで、今があるんだ、と思えるようになってくる。失敗は成功のもと、に気づくようになります。これをぼくは「未来が過去を変える法則」と呼んでいます。失敗がなければ、未来は動かない。つまり、先輩にいろいろ言われて悔しいと思った瞬間、あなたは、果てしなくでかいチャンスを得ている、というわけなんです。でも、落ち込んでネガティブになるのはダメ。これはチャンスだと思えたら、人生得しかない。先輩に偉そうなこと言われて自分の自慢を否定されたなら、もっと頑張って、あなたの未来を輝かせましょう。そうすれば、過去さえも、それで押し上げられて、その先輩はもうあなたに口出し出来なくなるでしょう。ラッキーなことに、「未来が過去を変える法則」というのは、あらゆる人間に与えられた最強の法則なんですが、いかんせん、まだ広まっておりません。この機会に、どうぞ、皆様、ご利用ください。広めてください。辻がこんなこと言うてたで、と!!!
あなたのメンタルは、心の持ちようで、このように、よくなるのですから、大丈夫です。はい、では、今日もご一緒に。小さな声で、えいえいおー」

父ちゃんの独り言、&、近況のようなもの。
なんか、三四郎が左利きであることが判明しました。今、預けているドッグトレーナーのジュリアさんから、連絡があり、三四郎が左利きだと判明した、というのです。それから、腰が弱いので、これ以上太らせないように、とも言われました。とくに階段はダメだと、脚が短すぎるせいで、あはは。田舎に戻ったら、すぐに、家の家具の配置などをかえるつもりです。三四郎バリアフリー計画スタートですね。彼が元気でい続けてくれるためにできることをいっぱいやってあげたい、と思う父ちゃんです。
☆
9月4日に、集英社から新小説「泡」が刊行されます。これはエックスでゲリラ連載をしたものを元に、一年の歳月をかけて、一から大胆に書き換えて完成させた初の試みだらけの小説になります。新宿歌舞伎町のような日本の大都会を舞台に、青臭い青春小説っぽい展開でスタートする物語ですが、様々な出会いとか、しかけがあり、最後は家族、人間の本質へと深く入り込んでいくような作品に仕上がっている、はずです。ご一読いただけますと、幸いです。ちょっと能天気な愛すべき若者カップルが、次第に人間として人生の深さを悟り、生きることの大切さに気がついていくような・・・。最初と最後が、ここまで違う本もなかなか珍しく、あはは。
☆
10月21日から25日まで、パリ、コンコルド広場で開催されるモダン・アートフェアに初出店します。ぼくに与えられた壁は6メートルです。
11月はリヨンで個展をやります。リヨンツアーについては公に宣伝をしてないみたいなんですが、しげちゃんのインスタに気になる人はメッセージ送ってみてください。丁寧に教えてくれるはずです。軽井沢、安東美術館ライブも、なんか、すごい応募があったようで、すいません、恐縮しています。
ま、他にも年内、いろいろとありますが、いろいろとありすぎて、今日はここまで、また、いつか・・・。




