自分流・日々のことば
自分流・日々のことば「よし」 Posted on 2025/06/25 辻 仁成 作家 パリ
おつかされまです。
最近、気が付くと、独り言をよくつぶやいております。
多くなりましたね、歳ですからね。
その中で、圧倒的に多いのが、
「よし!」
です。
たとえば、絵を描いていい感じになった瞬間とか、料理をしている最中、何かうまくいった時とか、いや、起き上がる瞬間とか、風呂から出る時とか、
「よし!」
と気合を入れます。
一日に、100回くらいは呟いているかもしれません。
最近は、とくに仕事関係であまりいい進展がなく、10戦9敗くらいのところで、残る1も、結果待ちなので、調子も上がらず、そういうことですから、自分で自分を盛り上げるしかないので、ちょっとした瞬間に、よし、と言って、自分を前進させておる次第です。
しかし、これは、悪くありません。
人間ですからね、よし、と聞こえてくれば、なんか、うまくいったような気持ちになるものです。
それが独り言であろうと、はい、心は聞いています。
そうか、いいのか、ならば、頑張ろう、みたいな気分になるわけです。
なので、よし、を連発して、日々をしのいでいるわけです。えへへ。
「終わり良ければ総て良し」
ということわざがありますが、起き上がって、寝るまで、よし、としていくこと、これが大事です。
そうすると、良い気分になり、ものごとがうまく進むのじゃないでしょうか?
ぜひ、やってみてください。
「よし!」

※ ラディッシュが、芽を出しました。家庭菜園!
昔のことばに、
「三方よし」
というのがあります。
江戸時代に活躍をいたしました近江商人(現在の滋賀県あたりの商売人の皆さん)が生み出した経営哲学なのだそうで、これ、ぼくは知りませんでしたが、知り合いの経営者が、つねに、心の理念にしている、なのだとか・・・。
現代まで影響をあたえた「三方よし」という考え方、知れば知るほど、なるほどな~、と思わされる素晴らしい経営哲学なのです。
どういうことか、と申しますと、つまり、商品を売る側(自分のことですね)だけがただ得をするような利益追求商売だと最終的にはダメになるからやめなさい。
自分たちの都合だけではなく、お客さん、買い手のことを第一に考えた商売を心がけなさい。
で、出来れば利益が出たら、それを世の中に還元しなさい、そうしたら、世の中があなたをものすごく尊敬し、信頼も増え、未来永劫にあんたの商売は繁栄します、ということなんですよね。
三方よし、というのは、売り手、買い手、世間の三つの方向を意味しているわけです。
で、近江商人の皆さんは、「三方よし」を心がけてきたことで、どんどん信頼されるようになり、大成功をおさめることになります。
その莫大な利益で、学校を建てたり、橋をかけたりした、そうですよ、すごい。ええ話しですなー。
「三方よし」
は経営だけに関わらず、人間、そのものの生き方において、大事な哲学といえるでしょう。
「よし!」
はい、今日も精一杯生きたりましょう。
えいえいおー。
今日のひとこと。
「三方よし」
今日のごはん。
「牛肉、玉ねぎ、枝豆の越南風パスタ」


※ 今日、絵を描いていたら、アトリエに、ライトブルーのあまりに美しいトンボが入って来たので、びっくりしました。慌てて写真を撮影しましたが、トンボさんは、ぼくが描いている、まさにトンボの絵の周辺をまわってから、出て行ったんです。
まさか、トンボに化身された神様でしょうか・・・
9敗中のぼく、最後に勝利するんでしょうか?
なんのシグナル?

posted by 辻 仁成
辻 仁成
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作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。




