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パリ最新情報「フランスに恵みの雨が降る。激しく続いた熱波がやっと終了」 Posted on 2022/08/16 Design Stories  

 
8月14日、フランスに恵みの雨が降り注いだ。
前日の13日(土)までは、今年4度目の熱波が訪れていたフランス。
南部トゥ―ルーズでは再び40℃の大台を突破するなど、度重なる猛暑に人々も疲れ果てていた。
ところが14日(日)になると気候は一変、南部を除くフランスの広域で雷雨が報告された。
気温も日曜日からぐんと下がっている。
パリでは最高気温が26℃と過ごしやすくなったのだが、フランスの一部では24時間足らずで19℃の温度差が観測されたところもあり、仏気象庁は体調管理に気を付けるよう呼びかけている。
 

パリ最新情報「フランスに恵みの雨が降る。激しく続いた熱波がやっと終了」



 
雨予報は今週ずっと続いており、水曜日にはついに南部を含むフランス全土で雨が降るという。
気温もそれによって下がるため、仏気象庁は「今週以降は夏のエピローグとなるでしょう。どの地域も例外ではありません」としている。

これは、7月から多発していたフランスの山火事の沈静化にも功を奏した。
フランスではこの夏、各地で大規模な山火事が発生しており、南西部ジロンド県では火災の前線が約40キロに及んだほか、万を超す避難民が発生してしまった。
出動した仏国内の消防士は約1100人。
しかしそれだけでは足らず、ドイツやオーストリアからも消防士が派遣され、水不足のために欧州連合から消防飛行機も出動する事態となっていた。
当初は極度の乾燥と高温が山火事の原因とされていたものの、警察の捜査で一部が放火によるものだと判明している。(他では自然発火、落雷が原因の所もある)
「社会の注目を集めたかった」と犯人が述べたこともあり、フランス国内ではこの度の山火事が大きな注目を集めていた。
 

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14日に降った雨は、こうした山火事を広い地域で沈静化させた。
まだ完全に消火となっていない地域もあるが、フランス中部のアヴェロンでは約1,000人の避難民がやっと自宅へ戻ることができたという。
 

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ただ干ばつ警報が解除されたわけではない。
極度に乾燥した硬い土壌では雨が吸収されにくく、流出・突発的な洪水の危険性があるため回復には数週間の時間を要する。
そのため仏気象庁も「このような悪天候は森林火災を緩和するはずだが、現段階では干ばつを補うことはできない」と述べている。

こうした不安は残るものの、フランスではひとまず熱波が終了したことになる。
今年はヨーロッパの多くの国、アメリカなどが歴史的な猛暑に見舞われた。
そのため作物の収穫量や味にも変化が訪れたほか、節水の呼びかけが行われ、今までにない混乱と緊張が走った夏だった。
しかし懸念されるのはやはり、「2022年が最後」とならないことだろう。今後も起こり得る猛暑に備え、多くの教訓を得た夏であった。(内)
 

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