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パリ最新情報「とうとうパリにも干ばつの危機が。フランス全土で歴史的な水不足に」 Posted on 2022/08/04 Design Stories  

 
8月2日、パリに干ばつ警報が発令された。
度重なる熱波に加え、7月からほとんど雨が降らなかったフランス。
そのため南部では早くから干ばつ警報が発令されていたのだが、それがじわじわと北上し、とうとう首都パリも警報下に置かれるようになった。

これはフランス96県のうち、全ての地域が「水不足」の危機にさらされていることを意味している。
なおフランスにおける干ばつ警報のレベルは4段階あり、最も低いレベルが1、最も高いレベルが4となる。
レベル4では危機警報となり、水の使用は飲料、医療・衛生、安全面に限られるほか、農業を含む分野で50%以上の使用制限がかかる。
現在ではフランス中央部を中心に多くの県でレベル4が設定されており、パリはレベル1となっている。
今のところレベル1のパリでは水の使用制限はないが、警報が発令されたことで、洗車や庭の水やりなど二次的な水の使用を控える・家庭での水の使用量を抑えるなどの注意喚起がなされるようになった。
 

パリ最新情報「とうとうパリにも干ばつの危機が。フランス全土で歴史的な水不足に」



 
2022年夏のフランスでは、猛暑、電力ひっ迫、そして水不足と厳しい状態が続いている。
現在は今夏3度目の熱波に襲われており、8月3日をピークに最高気温が34〜38℃、局地的には40℃になると仏気象庁から発表された。
これは来週以降も続く見込みなのだが、気温以上に心配なのがやはり雨不足である。

仏気象庁によれば、2022年7月は、フランスで観測史上2番目に乾燥した1ヶ月であったということだ。
フランスにおける7月の降水量の合計はわずか9.7㎜。これは平年に比べ約84%の雨量不足となる。
なおレンヌ、ブレスト、シェルブールの地方では1ヶ月以上雨が降っておらず、コルシカ島で最後に雨が降ったのは5月であった。
 

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パリ最新情報「とうとうパリにも干ばつの危機が。フランス全土で歴史的な水不足に」

 
パリではセーヌ川の水位が大幅に下がったため、公園内の噴水を停止するなど対策が急がれている。
しかし、天気予報はなおも晴れマークが続いている。直近の予報では、雨が予想されるのは8月4日(木)の降水確率30%のみ。
その後8月半ばまではまとまった雨が降らないと言われている。
このため万が一パリで干ばつ警報がレベル2となれば、午前8時から午後8時までの間、公共および民間の緑地での水やりが禁止となってしまう。
 



パリ最新情報「とうとうパリにも干ばつの危機が。フランス全土で歴史的な水不足に」

 
仏気象庁によれば、今回の干ばつは少なくとも夏の終わりまで続くとのことだ。
ただ9月に入ってもガラリと水不足が解消される訳ではないので、フランス国民は恒久的な(節水に対する)意識変化が必要である、とした。

フランスの人々はもとより節水に関して意識が高かった。
家庭でも水の大量使用を好まず、もし水道水を垂れ流しにすれば非常に厳しい意見が寄せられる。
こうして日頃から節水を心がけてはいたものの、歴史的な水不足を受けメディアはさらに警鐘を鳴らしている。

フランスだけでなく欧州や欧米で猛威を振るう2022年夏の熱波。
通常なら夏のフランスは日も高く「年中続いてほしい」という快適さなのだが、今年は初めて秋の到来が待ち遠しいと思うようになった。(セ)
 

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