自分流・日々のことば

パリの朝、カフェで Posted on 2026/05/24 辻 仁成 作家 パリ

パリの朝、カフェで

おつかれさまです。
久々のパリですが、ま、画廊の人たちに会って、先々のことを決めないとならないので、営業? いろいろと数年先のことを話し合うための来パリです。
(急に決まったんですが、ひさびさのパリ、人が多すぎる!)
先のことなんて、なんにもわかりませんが、でも、未来の話をするというのは、現在を輝かせる近道ので、楽しいですよね。
アーティスト冥利に尽きます。
朝はキュレーターのジャクリーヌさんと雑談ミーティングをしました。モーニング会議というのがフランスでは一般的で、出版社さんも朝食をつまみながら、軽く話し合うというのをやります。
フランスではじめて本が出た時も、ジャーナリストの方々をカフェにあつめて、クロワッサン食べながら紹介された経験もあり、なかなか、ユニークでしたよ、お金かからないし、朝だから、みんな都合がいいし、そういうのは頻繁にやるんです。

パリの朝、カフェで

それから、昼飯前に、画廊ともアポイントをとっていたので、パリ左岸地区で40年も歴史を持つ画廊主のアルノーさんに、ぼくの絵を見てもらいました。「おお、プロフェッショナルな仕事ですね」と言われて、ちょっと嬉しかったのですが、だからといって、すぐに個展開催に結び付くわけではありません。2年先までだいたい個展って決まっていますから、それに、ぼくも、それが目的で彼に絵を見せたというよりも、西洋のギャラリストがぼくの作品をどう思うのか、そのきっかけを今は探っている感じでしょうか。こういうチャレンジは、今日現在を輝かせるので、意味があるし、手ごたえもありますよ。
1時間くらい、いろいろとぼくの絵をみながら、話し合いました。有意義だったと思います。

そのあとは、土曜日なので、まだ画材屋がやっていますから、油絵具とか、パステルとか、必要な画材を調達するために、歩き回りました。パリだとだいたい、買う画材屋は決まっていて、ぼくは一応プロフェッショナル認定されてまして、笑、職能団体に入っていると、2割引きなんです。この2割引きっていうのが、とっても助かります。1万円のキャンバスが8千円ですからね。
作家は、パソコンがあれば小説が書けますが、絵は、画材費、バカにならないです。さらに、輸送費、超バカに出来ません。2割引き、最高です。

パリの朝、カフェで



パリの朝、カフェで

フランスの朝ごはんって、今日のところは12ユーロで、クロワッサン、バゲット、ジャム、バター、カフェオレ、オレンジジュースが付いてました。美味しいんですよね。あと5ユーロくらい足すと、オムレツとかが付いてきます。
パリの画廊街で、美術関係者とモーニングミーティングをして、画材屋を回って、もう、小説家というより、これは絵描きですね。
「君は日本で有名なんでしょ」
と言われました。
ぼくは照れ笑いを浮かべて、
「いいえ、ぼくは偉大なアマチュアをずっと続けています」
と言っておいたわけです。
なんかね、作家でも、なんでも、プロフェッショナルという枠で、決めつけられるのがいやな、父ちゃんなんです。

ちょっと来年くらい、イタリアにアパートを借りて、暮らしながら絵を描きたいな、と思っています。これは、ここ最近、ずっと考えていることなんですが、場所を変えてみる、という変化球が欲しくなったんです。
ずっと、ボヘミアンでしたから、ノマドですしね、イタリアから得られるものは大きいような気がしてなりません。
どこの都市がいいかな、と悩んでいるところではあります。
この作戦については、また、ご報告いたしますね。
それでは、よい週末を!

パリの朝、カフェで



近況のようなもの。
最近、ものすごく深い眠りに落ちることが多くて、夢がなかなかシュールなんです。この夢日記を小説みたいにして、発表していこうかな、と考えています。それはきっと自分の深層を眺めるような作品になる気がします。
デザインストーリーズのインスタにたくさん相談が届いているみたいで、それにこたえるのも、けっこう、文学的なチャレンジと位置付けています。たくさんの投稿ありがとうございます。順次、回答していきますね。たのしみ。
明日は、TPAの西洋美術史の島本先生がパリにいるので、授業の一部を収録することになっていて、顔を出します。短いパリ滞在ですが、びっしりスケジュールがつまっていて、なかなか、プライベートな時間が作れませんし、月曜日にはもう、ノルマンディにとんぼ返り・・・。

8月5日から11日まで、三越日本橋本店、特選画廊で、辻仁成展「鏡花水月」
10月22日から25日まで、コンコルド広場のアートフェアに参加。15点くらい。
11月5日からリヨンで個展。詳しくはまた、のちほど。
父ちゃんの音楽は、こちらをクリック。笑。

https://milestone.tunecore.co.jp/milestones/LeYwbu7hEfgPWl7dPcp7?category=artist_ugc_play_count

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辻仁成 Art Gallery

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posted by 辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。